163: :2012/01/25(水) 15:14:51.67 ID:
だが有紀子は来ない。
「まさかバレた?」
まだ5分も過ぎてないのに焦り出す。
その時
「僕君?」
とても懐かしい声を聞いた。
そこには、1年ぶりに会う有紀子がいた。
163: :2012/01/25(水) 15:14:51.67 ID:
164: :2012/01/25(水) 15:17:19.30 ID:
167: :2012/01/25(水) 15:20:23.40 ID:
169: :2012/01/25(水) 15:23:42.94 ID:
170: :2012/01/25(水) 15:26:58.17 ID:
「じゃあ、行こうか。」
そういうと僕は歩きだした。
「うんw」
有紀子は返事をすると、腕を組んできた。
一気に緊張で胸の鼓動が速くなる。
いくらなんでも積極的過ぎじゃね?
とか思いつつもふと気がついた。
有紀子の胸が大きくなってる事に。
171: :2012/01/25(水) 15:29:02.35 ID:
173: :2012/01/25(水) 15:30:43.06 ID:
思春期真っ盛りの僕にはこんな状況に耐性無いので
思考は一気にそっち方面への期待MAXに。
そんなもんで、色々話したい事があったのに、何も上手く話せず
とりあえず、喫茶店に入ることに。
向かい合って座ると、少し落ち着きを取り戻した。
色んな意味で
176: :2012/01/25(水) 15:36:00.76 ID:
そこで、今までの話を色々聞いた。
あの事件のあと。
彼女の祖母がカンカンに怒っていた事。
同じ村にいればまた繰り返すからと遠い親戚の家に行くことになった事。
高校も、向こうで卒業するまでは帰ってこれないという事。
そして
「高校卒業したら、籍入れて結婚させられるの。」
状況は最悪だった。
177: :2012/01/25(水) 15:36:43.59 ID:
178: :2012/01/25(水) 15:41:36.12 ID:
182: :2012/01/25(水) 15:48:54.70 ID:
それから喫茶店を出るまでは重い沈黙だった。
喫茶店を出ると有紀子がふと息を吐き僕を見つめる。
「せっかくなんだから。今日は楽しもうw」
そう、せっかくのクリスマスデートだ。
僕はさっきの話は少し忘れることにした。
それからは普通にデートを楽しんだ。
ゲームセンターに行き、2人ではしゃぎ回る。
有紀子の欲しがったぬいぐるみのを取るのに1,000円ほど使ってしまった。
僕の人生初めてのカラオケに行く。
上手く歌えず
「へたくそ~w」
と有紀子にからかわれる。
カラオケBOXを出ると時刻は7時を回っていた。
もう時間がない。
有紀子の門限は9時。
楽しい時間は本当にあっという間に過ぎてしまった。
183: :2012/01/25(水) 15:50:15.97 ID:
184: :2012/01/25(水) 15:52:48.18 ID:
186: :2012/01/25(水) 15:56:53.62 ID:
188: :2012/01/25(水) 16:01:30.69 ID:
もう何を言ってるか自分でも判らなくなり
頭が真っ白になって視線が宙を泳いでいた。
有紀子の返事は無い。
顔を見るのも怖かった。
電車の時刻が近づく。
その時。
「私は、好きだよ。ずっと。これからも。だから待ってるから。」
そういうと、有紀子の顔がぐっと近づいてきた。
初めてのキスは全く覚えてません。
天国の曾爺ちゃんに会った気がしました。
193: :2012/01/25(水) 16:07:28.89 ID:
電車がきて有紀子が乗り込む。
ハッと思いだし、ポケットからプレゼントを渡した。
彩香から「ロマンチックな場面で渡せw」と選ぶのを手伝ってもらったプレゼント。
「ありがとw大事にするね。」
そういうと、いっぱいの笑顔を残して彼女は帰っていった。
1時間後。次の電車に乗り帰宅する。
家に帰りつき、母の冷やかしを軽くあしらう部屋にもどる。
1日の出来事を思い出し、久しぶりに幸せな気分でいっぱいになった。
194: :2012/01/25(水) 16:09:16.41 ID:
196: :2012/01/25(水) 16:14:42.68 ID:
正月が明け、新学期。
早速、クリスマスデートの結果を聞きに女子グループが集まってきた。
「キスしたかキスwww」
ぶー子がおちょくりながら口を突き出す。
こいつ逆立ちでもしてるんじゃないかと思うほどキタネェ・・・
「協力したんだからしっかり結果聞かせなさいw」
彩香がニヤニヤしながらつついてくる。
結局洗いざらい話す羽目に。
「キャー」とか「うわww痛いww」
とか散々からかわれた。
197: :2012/01/25(水) 16:19:26.50 ID:
この時、ある事に気付いた。
・・・冬休みより、この話知ってる女子増えてる。
犯人は
「ぶひwサーセンww」
やはり貴様か。
200: :2012/01/25(水) 16:21:27.79 ID:
「まじで、地元に知られると困るから変に広げるな」
とぶー子に注意する。
「大丈夫ww私、人を見る目はあるからww」
そういう問題じゃねぇ
201: :2012/01/25(水) 16:25:49.36 ID:
だが、話をきいた人たちは皆僕に協力すると言ってきた。
これはやはり嬉しい事である。
あと3年。その時間で何ができるか判らない。
けど、とことんやってやろうと思った。
まずは有紀子の両親の説得からだ。
203: :2012/01/25(水) 16:31:47.33 ID:
しかし、これは実行できなかった。
何故なら僕は彼らにとって娘をたぶらかした犯人。
やすやすと連絡どころか会ってすら貰えない。
となると、次はやはり太一抹○計画である。
だが
「常識的にむりでしょ?」
との冷静なぶー子の突っ込みにより計画頓挫。
というか、お前が常識語るな
205: :2012/01/25(水) 16:35:52.76 ID:
結局、妙案は思いつかないまま中学を卒業することになった。
僕、彩香、ぶー子を含めたメンバーは地元の高校へ。
一部女子グループは都会の進学校へ
有紀子は全寮制の高校へ
それぞれ進学した。
207: :2012/01/25(水) 16:42:40.91 ID:
高校に進学してからも相変わらず。
どうすれば有紀子と一緒になれるかを考えていた。
彩香も積極的に協力してくれ、有紀子とは会えないが
電話で連絡を取れるようになっていた。
(有紀子の学校の寮に掛け、彩香が取り次いでくれた)
必然と彩香といる時間が長くなった。
この事がとんでもない問題を引き起こすことに。
事の発端は夏休み。
208: :2012/01/25(水) 16:43:54.31 ID:
209: :2012/01/25(水) 16:45:36.99 ID:
夏休みの1週間だけ有紀子が地元に帰るとのことで
早速、彩香の協力のもとデートセッティング。
夏のデートはどこに行くかを相談に乗ってもらっていたある日。
クラスのDQN、将太に呼び出された。
210: :2012/01/25(水) 16:50:03.73 ID:
「お前、調子のってんじゃねーぞ。」
いきなり意味不明な事を言われ殴られた。
「わかったら調子乗った態度とるなよ。」
全く理解できない。
その事件から2週間後。
デート当日。
有紀子と待ち合わせをして
夏らしくプールへ。
あの時の感動は今でも忘れません。
地球に生まれてよかった。
212: :2012/01/25(水) 16:52:30.13 ID:
たっぷりと堪 デートを満喫しまた会う事を約束し帰宅。
夏休みはこの思い出だけで過ごせた。
もうそれはそれは。
問題は新学期に入ってからの事。
215: :2012/01/25(水) 16:54:47.72 ID:
216: :2012/01/25(水) 16:55:18.86 ID:
将太に再び呼び出される。
「お前、俺の警告判んなかったみたいだな。」
そういうといきなり殴る蹴る。
意味もわからずにいると将太が突然激昂し
「彩香と二股掛けやがっ!!」
突然の意味不明発言に
「???????」
状態
217: :2012/01/25(水) 16:58:27.40 ID:
「何の事・・」
「うるせぇ!」
意味もわからずボコボコにされる僕。
反撃しようにも体格差もあり一方的に殴られる。
「てめぇ、これに来れたらふざけた真似スンナよ!」
ああ、ヤキモチ焼いてるのか。
218: :2012/01/25(水) 17:01:53.41 ID:
219: :2012/01/25(水) 17:07:44.30 ID:
それから数日は彩香と話していると将太の視線が刺さるように痛く
彩香を避けるような形になってしまっていた。
そんな態度が数日続いた時
「ねぇ!なんで避けてるの?」
と彩香が怒り出した。
「そんなわけじゃ・・」
理由は話すべきか悩んでいると
「ぶひww理由はアイツでしょwwwフヒww」
とぶー子が割って入ってきた。
「え?誰?」
彩香が聞き返す。
「www将太wwwあんたに気があるからこいつが気に食わないってwwwボコってたwww」
・・・見てたなら助けろ。
「そんなしょうもない事で。」
こうして純愛DQN将太。彩香にばれる。
223: :2012/01/25(水) 17:13:33.07 ID:
三日後、朝教室に入ると同時に将太に
「ちょっと面かせ。」
と引っ張られた。
「ああ、ばらしたのでやられるのか」
と覚悟していたが
将太。突然の土下座。
「すまん!完全に俺の勘違いだった!許してくれ!」
と言われた。さらに
「話は全部聞いた。俺感動したんだ!俺にも出来る事あったら協力するぜ!」
と言ってきた。
こうして、初めて男の協力者将太が出来た。
コイツには本当に色々助けられることになる。
226: :2012/01/25(水) 17:20:24.88 ID:
227: :2012/01/25(水) 17:21:15.71 ID:
228: :2012/01/25(水) 17:22:39.19 ID:
230: :2012/01/25(水) 17:24:59.65 ID:
235: :2012/01/25(水) 17:32:44.62 ID:
「いや、前回の失敗踏まえてしっかり準備しろって事だよ。高校卒業すりゃ、大人だぜ?
それに今から準備していきゃいいじゃねぇ?」
将太の提案にハッとした。
そうだ。卒業したら僕も大人だ。昔とは違う。
働いて稼ぐこともできるはず!
「そうだよ!それいいじゃん!」
彩香もパッと顔をあげて笑顔になる。
すると、今まで将太に罵声を浴びせてた女子も
「あんたナイスアイデア!」
「馬鹿は馬鹿なりに考えてるんだね!」
と将太をほめたたえた。