駆け落ちして田舎から逃げた話。


244:2012/01/25(水) 17:49:23.15 ID:

それから僕はバイト探しに必死になった。
だが、当時僕らの高校はアルバイト禁止であり、
教師が各所巡回しており、バレないでバイトをするのも厳しいものがあった。
バイト探しに若干行き詰まり掛けた時の事。
「ぶひひww良いバイト有るけどwwどうよwww時給千円のバイトwww」
ぶー子だ。
「何?食肉加工場とか?確かに時給良さそうだけど、あそこ前先輩が見つかってんじゃん。」
「ぶふwwちげぇよww私のおじさんの所だから見つかる心配無い所www」
その話、なんとも僕の理想の条件じゃないか!
よくやった。トリュフを見つけてくるとは。
貴様今度からイベリ子と呼んでやろう。

248:2012/01/25(水) 17:54:20.27 ID:

イベリ子に紹介してもらったバイトは工場の荷物の仕分け作業だった。
これがとんでもなくキツイ。
当時高校生の僕は箱一つ抱えるのにも四苦八苦していた。
箱が一つ20キロとかである。
家に帰る頃にはへとへとになっていた。

因みに家族には欲しいものできたからバイト始める
と許可をもらっている。




249:2012/01/25(水) 17:59:29.35 ID:

バイトは確かにきつかったが、
卒業までに200万
有紀子との為に
と思えばやっていけた。
この頃無駄づかいを控え、コツコツためていった。
そして冬休み。
またしても彩香らのアシストを受け有紀子と会えることに。

251:2012/01/25(水) 18:01:35.99 ID:

ところが、今回は直前になり会えないという事に。
何でも
「実家から両親が出てきて年末になったら帰るって・・・」

不穏な空気が流れ始めた。

252:2012/01/25(水) 18:05:00.09 ID:

この事態を受けての見解は
「会っていた事がバレた可能性がある。」

最悪の事態だ。
このままでは計画が露見しかねない。
僕は非常に焦っていた。

そんな時
「ふふwww私にwwお任せwww」
イベリ子。動く。

258:2012/01/25(水) 18:12:27.32 ID:

そして、年明け。
新年早々偵察豚から連絡

「ぶひゅwwwなんかwwwばれては無いらしいwwwクリスマスを久しぶりに
親子水入らずで過ごしたかったらしいwwwワロスうぇえwww」

イベリ子からの連絡で一安心。
「あwwwでもwww母親は疑ってたwwwかもwww」

まずい。

259:2012/01/25(水) 18:12:33.07 ID:

イベリ子だから、味はいいんだろうな。

262:2012/01/25(水) 18:19:25.89 ID:

イベリ子いわく、
正月の初詣行こうと有紀子誘いに行く
家に行くと両親が出てくる。
有紀子に
「クリスマスパーティー突然どうしたの?」
と聞くと
有紀子父
「いやぁすまんね。去年いなかったからさみしくなって。来年はまた誘ってやってくれ」
との事。
「それじゃ、有紀子。初詣いこw」
と出て行こうとした瞬間。
有紀子母
「今日は2人だけなの?」

どうも母親が何か察したような感じだった。
との事

264:2012/01/25(水) 18:24:59.31 ID:

彩香に意見を求める。
「あ~まずいかもね。母親は敏感だから。」
どうやら、母親というものは子供の変化に非常に敏感らしい。
去年のクリスマス、そして夏休みで何か感じ取られた可能性もある。

「wwwならしばらく連絡だけにすればいいwww」
このイベリ子。
その連絡すらいま中継はさんでる状況じゃないか。
そういうと
「wwwおまwww携帯位買えよwww」

・・・その手が有ったか!

269:2012/01/25(水) 18:31:47.62 ID:

当時携帯電話今ほど高校生には浸透してはいなかった。
そもそも、僕の村は電波入らないから不要の産物しか思って無かった。
しかし。
イベリ子の提案で携帯が僕の中の最重要アイテムになる。
問題は有紀子が携帯を持っているかどうか。
「wwwバカスwwwそれぐらいこの間チェックしてるはwwwクリスマスに買ってもらってたwww」
イベリ子。
「それとwwwほらwwwメルアドと番号www渡しといてってwwwうぇwww」
イベリ子・・・
お前、卒業後プリマハムへ推薦してやるよ。

272:2012/01/25(水) 18:36:22.34 ID:

さて、携帯を購入することは決定事項。
資金はバイトしてためたお金があるから何とかなる。

しかし、携帯ショップで唖然とする。
・・・高ぇ・・・
月々の料金も・・・
予想外です。

274:2012/01/25(水) 18:40:38.94 ID:

まぁ、携帯料金くらい毎月もっと切り詰めればいける。

という事で携帯購入。
すでに携帯を持っていた彩香に教えてもらいながら
初めて有紀子にメールを打つ。

「僕です。メールしましょう。」
なんか、怪しい出会い系のスパムメールみたいになった

273:2012/01/25(水) 18:37:17.42 ID:

そんなにしたのか??

278:2012/01/25(水) 18:44:34.98 ID:

>>273

僕の当時の考えとしては、携帯本体1万円くらい。月々3千円位と勝手に思ってました(パワプロ6から)

返事はすぐに来た
「携帯買ったの?うれしい!これでいつでも話せるね!」

携帯持って一人でニヤニヤしてたので相当気持ち悪かったと思う。

276:2012/01/25(水) 18:43:06.04 ID:

>>1

とは多分同年代だわw
Eメールとかなかった時代か?

283:2012/01/25(水) 18:54:50.10 ID:

>>276

Eメール1通いくらとか。277の言うように定額制無かった。

で、調子にのって色々メール送ってたら
「あんまりするとお金大変だよ?」
と返されハッとする。

そうだ。こんなところで消費してる場合じゃない。
そして大体週に一回で僕たちは連絡を取り合ってた。




307:2012/01/25(水) 19:59:20.39 ID:

ブー子の配役は・・・w

309:2012/01/25(水) 20:02:36.86 ID:

>>307

いまのところ
有紀子:大政殉
彩香:堀北真希
ぶー子:柳原加奈子

ってことになってるなw

310:2012/01/25(水) 20:04:00.14 ID:

そうして、高二の夏休み。
有紀子が帰ってくるというので、今度こそ会おう!
という話になった。
「夏祭りに行きたい」
という有紀子の希望で今回のデート場所が決まった。
彩香とイベリ子に協力を依頼する。
が、ここで一つ問題が。
「でも、このあたりの祭りだと誰かに見られる可能性があるよ」

315:2012/01/25(水) 20:09:39.19 ID:

そうだった。
僕らは村の人間に見つかる事だけは避けなくてはならない。
ここの夏祭りは僕の村からも見に来る。
諦めるしかないか。
と思った時。
「だったら、○○の花火大会行けばよくね?」
将太が提案する。

319:2012/01/25(水) 20:17:27.79 ID:

○○の花火大会と言えば、この地区の祭りと同日にある祭りだ。
ただ規模は小さいのでこの地区からそちらに行く人はほとんどいない。

「でもどうやって行くのよ?」
彩香が突っ込む。
確かにそこに行くには車かバスしかない。
しかもバスは本数が少ないのが欠点だ。

「問題ねぇよ。俺が兄貴に頼んでやるから。」
どうやら、当日将太の兄がその花火大会にいくから
乗せて行ってくれるように交渉してくれるらしい。
これは嬉しい提案だった。
「ただ、俺だけ一人で行くのも・・・なw」
将太。便乗する。

324:2012/01/25(水) 20:20:55.34 ID:

将太のお陰で夏祭りデートが確定し、
その日を迎えることになった。
当日待ち合わせ場所で将太の兄に挨拶。
かなりイカツイ風貌だったが、
「将太から話は聞いた。俺に任せろ!」
と彼女と一緒に歓迎してくれた。
そうこうしてる所に有紀子がやってきた。

325:2012/01/25(水) 20:25:05.42 ID:

浴衣を着ている。
やっぱりかわいい。
もう、ちょっと照れくさそうにしている仕草がたまらない。

「おいwかわいい子じゃねぇかw」
バンバンと将太の兄に背中をたたかれる。
一方の将太は、有紀子の隣の人物を見て唖然としてた。
「マジかよ・・・」

「ぶふww彩香wwwじゃなくてwwwサーセンwww彩香友達と約束あるってさwwww」

まさかのイベリ子。
その姿。まさに力士。
将太。かわいそうな子。。

330:2012/01/25(水) 20:27:49.26 ID:

将太が泣きそうな顔で僕を見る。
やめてくれ。そんなチワワみたいな目で見るな・・・

というか、将太兄&彼女。
お腹抱えて笑ってるし。

333:2012/01/25(水) 20:33:51.40 ID:

そうして、将太兄の運転で花火大会会場へ。

ここからはそれぞれ自由に回って花火が終わったら集合し帰宅。
という流れになった。

将太はイベリ子に引きずられるように屋台群へ消えていく。
僕は有紀子とある場所へ。
イベリ子いわく
「花火がメチャクチャきれいに見える最高のスポットがあるww」
との事。
こ奴。トリュフ見つける事に関してはやはり天才か。

335:2012/01/25(水) 20:37:15.92 ID:

屋台で綿菓子やたこ焼きをかってその場所へ。
ちょっとした高台のような場所で確かに花火はよく見えそうだ。

しかし。
暗闇の中に無数の人の気配が。
どうやら、この場所はそこそこ有名の様で
沢山のカップルがいちゃついていた。

336:2012/01/25(水) 20:43:37.05 ID:

パンツぬいだ

337:2012/01/25(水) 20:44:21.29 ID:

「場所・・変えよっか」
ちょっと気まずい思いで有紀子に聞いてみた。
「ううん。ここでいいw嫌?」
嫌な訳がない。
地面に座って花火の開始を待つ。
「ありがとう。私すごくしあわせかもw」
そう言って寄りかかってくる有紀子がもうかわいくてしゃーない。
と、その時
ドン!
と目の前で花火がはじけた。
イベリ子の言うように確かに最高の風景だった。

何よりもこれを有紀子と一緒に見ているという事が何よりもうれしい。




338:2012/01/25(水) 20:48:10.96 ID:

一つ一つの花火が上がるごとに
嬉しそうに有紀子が歓声を上げる。

花火が終り、一瞬シンとなる。
「あ~綺麗だったwさ、いこ。待たせたらいけないし。」
そう言って有紀子が立ち上がる。
この時。僕のはもうこの場で言うしかないと思った。

339:2012/01/25(水) 20:53:44.49 ID:

「有紀子。僕と一緒にずっと居てほしい。この気持ちは昔から変わらない。
だから、高校を卒業したら、僕と一緒になってほしい。」
たどたどしく、噛みながらもこう伝えた。
その間、有紀子は視線をそらさず、じっと僕の目を見ていた。
そして
「うん。。ありがとう。すごくうれしい。私もずっと変わらないよ。
だから。」

こうして僕らは高校卒業後の駆け落ちを約束した。

341:2012/01/25(水) 20:57:51.33 ID:

2人で集合場所に戻るとすでに将太たちは戻っていた。
「すみません。遅くなって」
というと
将太兄はニヤニヤしながら
「上手くいったんだろw」
と言ってきた。
とりあえず
「はいw」
と答えた。

将太・・・返事がない。ただの屍のようだ。

342:2012/01/25(水) 20:58:29.73 ID:

将太がwwwww

344:2012/01/25(水) 20:59:00.32 ID:

パンツ重ね着した

347:2012/01/25(水) 21:01:16.51 ID:

イベリ子はイカ焼きを頬張りフガフガ言ってる。
目の焦点の合って無い将太と
幸せで浮き上がりそうな僕らは帰路に就いた。

353:2012/01/25(水) 21:06:36.27 ID:

それから夏休みの残りはほぼバイトに明け暮れた。
卒業までに資金を稼ぐ。
もう目標はそれだけ。

夏祭りでの約束は今まで応援してくれた誰もが祝福してくれた。

357:2012/01/25(水) 21:15:06.79 ID:

高二の
冬には貯金は60万程貯まった。
だが、まだまだ足りない。
最低でも200万を目標にしている僕にとって
目標は果てしなく遠くに見えた。

しかし、バイトを増やすというのも当時厳しいものがあった。

358:2012/01/25(水) 21:20:12.38 ID:

何故なら、バイトを始めた当初
欲しいものがある。と親に許可をもらったが
若干その理由に納得してない節が見られたからだ。
「何が欲しかったの?」
と言われ、その時は咄嗟に買ったばかりの携帯を見せた。
「買ったならもうバイトしなくていいんじゃない?」
という質問には毎月の料金がいるから。
と答えていたが、それでも僕がお金をためている事に気付き始めたようで
これ以上バイトを増やそうものならもう言い逃れもできない。

363:2012/01/25(水) 21:24:21.28 ID:

ともかく、貯められるだけ貯めよう。
この当時ひたすら考えていた事だ。

さて、ある時僕は村で会ってはならない人物と遭遇する。

365:2012/01/25(水) 21:26:55.41 ID:

>>363

アグー豚ですね?

366:2012/01/25(水) 21:27:50.67 ID:

有紀子の許嫁になっている太一(40)だ
普段引きこもりで、めったに姿を見せない奴が
何故か外に出ている。
しかもスーツなど着て。

薄くなった頭と鏡餅の様な体を揺らしながら

有紀子の実家へと入っていった。

369:2012/01/25(水) 21:32:02.54 ID:

この時、遊びに来ていた将太が
「なんだあのおっさんw」
と言わなければ気付かなかっただろう。

なぜ奴がこんな昼間から外にいるのか気になり後を付けると
有紀子の実家に入って行く奴の姿が。

もしや、予定が早まったのか!
という言い知れぬ不安に襲われた。

370:2012/01/25(水) 21:36:29.08 ID:

どうやら、その姿をみた僕はとてつもなく青い顔をしていたらしい。
将太が心配し、覗き込んできた。
「おい!大丈夫か?アイツ誰なんだ?」
僕は将太に奴が今の有紀子の許嫁である事を伝えた。
「冗談だろ?あんな禿げダルマが??」

それよりも僕にとっては奴があんな恰好であそこに入って行った事が大問題だった。