30歳からの青春を謳歌した話


106: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 01:14:33.81 ID:88mOtjmX0
夏になると、通っている碁会所で旅行が企画されている話を耳にした
なんでも毎年行ってるものらしく
碁会所のお客さんを集めてみんなで伊豆に行き
そこで観光したり囲碁を打ったりマッタリ楽しむものということだった

俺は吉本ばななの「TUGUMI」を読んでから
一度は伊豆に行ってみたいと思ってたので、行こうかと考えていた
でもきっと周りは年齢層も違うし、悩んだな

109: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 01:47:40.20 ID:88mOtjmX0
でも通ってみて気づいたが
碁会所には案外若い人も多かった
同年代のリーマンから大学生の子まで

マスターさんの娘さんたち(大学生と高校生)もいて
そこまで閉鎖的なコミュニティでもなかった

爺さんの一家も伊豆旅行に行くというので
俺はそれにあわせて仕事の予定を調整した
何かのために休みを調整するなんて、もう何年もないことだったし
すげえウキウキしたなw




112: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 01:58:46.79 ID:88mOtjmX0
前日は久々に修学旅行に行くようなテンションだった
社員旅行に行っても荷物持ちで
上司の相手をするのにウンザリするのに

どうしてかこの旅行はとても楽しみだった
同じものを好きな人が集まっているからかな

こんな気持ちになることは二度とないと思ってたもんな
大学時代に行った夏祭りが最後の夏だと思ってたし
何歳になっても夏は来るんだなあって感じてた

113: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 02:01:43.24 ID:88mOtjmX0
バスに乗って、俺はカメラを首から下げてワクワクしてた
隣には旦那さんが座った

奥さんと娘さんと爺さんもいて
マスターの子どもさんたちもいたし、案外学生の人も多そうだった
とはいえお年寄りはやっぱ多くて
車内は和やかながらもなんとも言えない雰囲気だったw

114: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 02:07:00.12 ID:88mOtjmX0
何時間か車に乗ると海沿いの道に出て、旅行って気がしてきた
いい感じの旅館(民宿?)に着くと、学生に混ざって俺は率先して荷物持ちになった

やっぱりお年寄りが多いしこういうとこで若いもんが頑張らないとなw
部屋は、奥さんと爺さん 旦那さんと娘さんが一緒で
俺は碁会所で顔見知り程度だった大学生の男の子と一緒になった

あまり知らない若い人と一緒って少し身構えたけど
旅行のテンションもあったしその時はあまり気にならなかったな

115: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 02:12:41.77 ID:88mOtjmX0
午後からはしばらく各自自由な時間になり
俺は大学生君と海に行くことにした

爺さんたちはと言うと、宿でマッタリしたいとのことだったw
やはり長距離移動はなかなか体力をもってかれるからな

俺は柄にもなくテンションが上がってて、はしゃいで大学生を海に引き連れた
クソ暑くて、泳ぐでもなくカメラを抱えて裸足で浜をフラフラした

116: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 02:15:17.41 ID:88mOtjmX0
俺は色々と思う所があって、大学生に色々とはなしかけた

俺「ここTUGUMIの舞台なんだよね。知ってる?」
大学生君「あ、知ってますw俺もあれめっちゃ好きなんすw」

この大学生、妙に話が合う子で一緒にいて面白かった
まだ若いのにしっかりしてて気が利く人で
偉そうで申し訳ないけど、よくできたヤツだなあ~って思ってた

118: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 02:23:22.34 ID:88mOtjmX0
そのあと、宿に戻ると夕飯まで対局タイムとなった
広間みたいなとこ借りて、板碁盤を何枚も広げる
ますます修学旅行っぽさが増した

大の大人たちが畳に板碁盤ひろげて笑いながら碁を打ってんだ
見てるだけウキウキして恥ずかしい気持ちになってくるw

俺は色んな人と打った
大学生君、見知らぬじいちゃん、マスターの娘さん…
みんな一様に囲碁が好きで
打った後の検討とか楽しかったなあ

119: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 02:27:19.80 ID:88mOtjmX0
俺はカメラ係の役も担っていて
旅行後に写真を編集してDVD作ったりしようと考えてたから
みんなのいい表情を捉えるのにも必死だった

だからこそだろうな、今でもあの楽しい雰囲気をよく覚えてるよ
爺ちゃん同士が談笑してたり、若い女の子と婆ちゃんが楽しそうに打ってたり

俺は色んな瞬間をカメラに収めようとしてた
まあ、もともと写真が好きだったしなw

120: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 02:32:07.04 ID:88mOtjmX0
その後は皆で大浴場に風呂へ
俺は爺さんの背中を流してあげた

何年ぶりだったろうな、人の背中を流すなんて
その背中がすごく大きなものに感じたよ
色々寂しい気持ちにもなった

そのあとは夕飯。
何を食べたかもう良く覚えてないんだけどw
とても美味い酒と飯を食べたってことは記憶してるw

122: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 02:37:18.26 ID:88mOtjmX0
夕飯からそのまま宴会場みたいなとこで
皆で酒を囲んでワイワイやってた
俺は爺さんや旦那さん、大学生君と一緒に飲んでた
日本酒を次から次へと口に運んで
俺はすっかり出きあがってたw

爺さんとフォークソングについて熱く語った
9時を過ぎた辺りから宴会場からも人が減り
俺たちもそろそろ部屋戻ろっかーって雰囲気になった

でもこの日の夜はここからが長かったな

123: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 02:46:30.27 ID:88mOtjmX0
部屋に戻ると、大学生君が勢い良く話しかけてきた

「力を貸してくれませんか…?」
一体なんのことだ?と思った
よくよく話を聞いてみると、この大学生君
マスターの娘さんに想いを寄せているんだそうなw

すっげえ面白くてむず痒くて、俺は一気にテンションが上がった
「マジか!?」なんつって声を上げて
俺も一気に若返った気がしたw

126: 名も無き被検体774号+:2012/04/21(土) 03:09:18.07 ID:NUZvSOHo0
いいなー青春だな
歳とってからそういう経験ってなかなか出来ないだろうし
文章も見てて面白いよ

127: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 03:17:33.27 ID:88mOtjmX0
なんとなくテンションが上がっていたたまれなくなった俺達は
とりあえず宿の外にでて散歩でもするかってことになった

「飲み足りないね~」なんつって、コンビニへ
缶ビールを飲みながら歩いて宿に戻りながらも俺らのテンションは変だったw

「確かにな~いい子だもんな~」
なんて俺がニヤニヤしながら突っ込むと
大学生君は恥ずかしそうに
「そなんす…もうすごい好きで…」
みたいに嬉しそうに言ってた

全てが瑞々しくて羨ましいなあと思った

128: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 03:22:27.22 ID:88mOtjmX0
宿に戻ると、玄関脇でじいさんが一人でパイプをふかしてた

「お、夜遊びかい?若者たちよ」
なんて言われた
俺は面白くなって事のいきさつを爺さんに話した

すると爺さんは嬉しそうに笑って
「そういうことか、頑張れよ~」と楽しそうに言った
爺さんも愛嬌に溢れていて
「これからあの娘の部屋に行こうか」なんて言い出したw

すると大学生君は全力で拒んで、「明日!明日!」
って必死になってたなw




129: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 03:26:23.93 ID:88mOtjmX0
その後は三人で外で星を見ながら
買ってきた缶ビールをマッタリ飲んでたな
まさに、星見酒って感じだ
最高だったなあ。

一回り世代が違う男が三人。
爺さんは奥さんとの馴れ初めを無邪気に語り
大学生君は顔を真っ赤にしてマスターの娘さんへの想いを語り

俺は大学時代最後に行った夏祭りの事を話したなあ
それが最後の夏になると思ったのに、
こうして今また夏を堪能してることを噛み締めてた

131: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 03:43:46.65 ID:88mOtjmX0
そうこうしてると、華のある声がした

「こんなところでなにしてるんですか」
そこにいたのはマスターの娘さんだった
といっても大学生君の好きなお姉ちゃんの方ではなく
妹の高校生の方だった

俺はしめた、と思ってニヤニヤして
「お姉ちゃん呼んでこれる?」って言った
そしたら大学生君がやたらてんぱってたな

132: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 03:47:55.54 ID:88mOtjmX0
大学生君は本当に焦ったのか、「お腹痛い」
って言って部屋に帰ってしまった
お前のために機転をきかせたのに!

マスターの娘さん二人が来た時は、そこには俺と爺さんしかいなかった
なんとも不思議な構図だよw

爺さんと30のオッサンと大学生と高校生w
およそ普段生きてる日常では考えられない状況だったな

133: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 03:52:50.58 ID:88mOtjmX0
娘さん二人はすごい美人、ってわけではないけど
可愛らしくて、今時めずらしい落ち着いててて素直な子たちだった

そのまま話してたんだけど、お姉ちゃんの方は酔ってたこともあって饒舌だった
俺が昔の恋バナをしてみせると、彼女も恋の話をし始めた

爺さんは笑って静かにビールを飲んでたな

134: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 03:58:26.82 ID:88mOtjmX0
でも彼女の口から出たのは苦い一言だったなぁ
「大学に好きな先輩がいる、振り向いて欲しい」

うん…大学生君には申し訳ないけど、なんというか青春の甘酸っぱさを感じたよ
その瞬間、すごくいたたまれなくなった
好きな人のことを語る彼女はとても嬉しそうで可愛かったし
でも大学生君の想いも知っていたし

まさかこの歳にしてこんな想いができるとはねw
高校生にでも戻った気分だったよ

136: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 04:02:19.53 ID:88mOtjmX0
その後、娘さん二人は眠くなって部屋に戻って
また爺さんと二人きりになったんだけど

この話どうします…?w
ってコソコソ話して、爺さんは終始笑ってた
「あとは彼らを見守るだけだよ。若いってのはいいね」
って嬉しそうに言ってた

俺もそう思ってた
若いっていいな、俺もまだまだ色んなことできそうだって思えた

144: 名も無き被検体774号+:2012/04/21(土) 06:00:54.08 ID:RZLwhz0bO
たまにホワッとこんなスレが立ち上がるから+に来るのを止められない

145: 名も無き被検体774号+:2012/04/21(土) 07:42:49.67 ID:zPNf99xr0
>>144
同じく!良スレだわ

154: 名も無き被検体774号+:2012/04/21(土) 13:26:14.96 ID:L+Lke5z60
こういう出会いもあるんだなってしみじみ思う
俺もたまには家から出てみるか

185: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/21(土) 23:08:48.55 ID:88mOtjmX0
こんばんは、遅れて申し訳ない
ちょっと今帰って来たから
しばらくしたら書き込んでいこうかと思います

188: 忍法帖【Lv=19,xxxPT】 :2012/04/21(土) 23:22:05.08 ID:TrR3zVWu0
おかえりー

193: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/22(日) 00:16:00.06 ID:UyFGhznT0
すまないもう少しだけお待ちを
一人暮らしゆえになにぶんやることがたまっててなw
申し訳ない

200: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/22(日) 01:03:45.45 ID:UyFGhznT0
続き行きます

爺さんと笑いながら穏やかに話して
「俺君も頑張りなよ。」って楽しそうに言われた
爺さんはいつも俺のことを
「若いのに見所がある」「面白いやつだ」って気に入ってくれてた

「独身には独身の楽しみがあるけどね」
「家族がいるってのも楽しいんだ、私はね」
っていつも言ってた

「爺さん見てるとそう思います」って俺はいつもそう答えてた

202: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/22(日) 01:09:03.87 ID:UyFGhznT0
部屋にもどると、大学生君がちゃぶ台にもたれかかってビール飲んでた

「おかえりです」
なんだか俺は顔を合わせられなかった
さっきのお姉ちゃんの言葉がこだましてた
大学生君は俺の方を見ないで話続けた

「俺明日思い切って気持ちを伝えようと思います」
不思議なことに俺はあまり驚かなかった

「いいことだと思うよ、手伝えることがあったら言って」
最後までこの若い青年の恋を見届けようと思った

204: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/22(日) 01:22:29.35 ID:UyFGhznT0
次の日は
午前中は各自自由行動で
昼食食べたらそのあとはマッタリして帰る流れだった

朝からとてつもない暑さで、俺はふらふらだった
昼食のあと、大学生君が宿の裏にお姉ちゃんを呼び出した
俺はバドミントンをするふりをして、陰からそれを見ていた

といっても、妹さんの方が気になって覗いていたので
俺も一緒になって見ていたのだがw

205: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/22(日) 01:27:33.27 ID:UyFGhznT0
最初は、そのへん散歩しつつ写真でも撮ったれ
と思ってフラフラとタオルを首に巻き、麦わらをかぶって
完璧な夏スタイルで出かけようとしていた

すると玄関先で妹さんに会って、元気な声で
「バドミントンしませんかー!」
って言われたので、こんな機会はないな、と思って快諾した

失敗するたびに「うけるーw」と煽られて、楽しかったけど
若者の体力には勝てず、元気な妹さんに追いつけなくなった俺は
自販機でジュース飲もうって言って二人で宿から離れようとしたら、
大学生君に呼ばれた




206: 名も無き被検体774号+:2012/04/22(日) 01:30:16.32 ID:4DaMs1hC0
楽しみすぎて眠れん!!!

207: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/22(日) 01:35:14.11 ID:UyFGhznT0
大学生君「どうしましょうか…もう時間が…」
俺「決心したなら、勇気出さないと…」

そこで、大学生君が妹さんにお姉ちゃんを呼ばせようとしたので
俺はそれを遮った

「だめだよ。自分で呼んできなよ。頑張ろう」
結構強い口調で言ったと思う

そう言うと大学生君は頷いて、宿の中に走っていった
妹さんに「なになに?どうしたの?」
みたいに聞かれたから、笑って「見てれば分かるよ」って答えた

208: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/22(日) 01:41:51.36 ID:UyFGhznT0
そのあとしばらく妹さんと二人で
宿の入り口から少し離れた自販機でジュース飲んでた
額から汗が滝のように流れて来て、やかましいくらいにジワジワ蝉が鳴いてた
「夏だねー」なんて言い合ってた

宿題とかやってんの?って聞くと
全然wやばいなーwとか言われた
二日目ともなるとお互い慣れてきていて、リラックスしていた

210: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/22(日) 01:58:31.13 ID:UyFGhznT0
確かに話せば話すほど
マスターの娘さん二人は魅力的な子たちだった
今にしては素直で明るくて、いい子たち
大学生君が好きになる気持ちも分かる

そうしてると、宿の中から大学生君がお姉ちゃんを連れて出てきた
妹さんが「あ、出てきたよ!」と言うので
二人してバドミントンのラケットを持ったままついていった

「シーッ」って言われながら後をついていって
まるで中学生が何かいたずらをするかのような
すごく微笑ましくてワクワクした

214: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/22(日) 02:34:09.77 ID:UyFGhznT0
むせ返るような暑さの中で
俺はもうろうとしながら妹さんと二人で陰から大学生君とお姉ちゃんを見ていた
すごく印象的な光景で
今でもよく覚えてる

大学生君「あのさ…聞いて欲しいことがあるんだよね」
お姉ちゃん「どうしたの…?」

頑張れって心の中で思った

217: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/22(日) 02:38:53.63 ID:UyFGhznT0
大学生君「ずっと…好きだった。良かったら俺と…付き合ってください」

お姉ちゃん「ありがとう。でも…私今好きな人がいるんだ、ごめん」
お姉ちゃんは笑っていた、けどどこか寂しそうだった

大学生くんの恋は終わった
俺と妹さんは、黙ってただ眺めていた
すっげえ蝉が鳴いてた

しばらく大学生君とお姉ちゃんはその場で話していたので、俺達はそこを離れた

218: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/22(日) 02:45:37.66 ID:UyFGhznT0
妹さんはもっとはしゃぐかと思ったけど、とても神妙な表情で黙っていた
俺が「青春だね」って言うと

「そうだね、いいなぁ」ってゆっくりと言った

その後、また二人でバドミントンを始めた
ラリーを続けながら妹さんは俺に叫び始めた

「私も」「えー?」「今度ねー」「うん」
「好きな人に」「うん」「告白することにしたー」「まじかー!」

きっと妹さんにとって俺は「なんでも話せる気のいいおじさん」
だったんだろうな
そんなこと言ってくれるのが素直に嬉しかったよ

219: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/22(日) 02:52:03.68 ID:UyFGhznT0
ラリーが終わると、してやったって顔で
こっち見て笑うんだ、可愛いもんだよ
きっとこの子ならたくさんの人に好かれるだろうな、とか思って安心した

帰りのバスで大学生君が明らかに落ち込んでいたので
隣に座ってオロナミンCを差し出した
そんで俺のipod貸してあげて音楽を聴かせてあげた
終始涙目になってて
俺が話しかけることはなかった

220: 名も無き被検体774号+:2012/04/22(日) 02:54:20.22 ID:njFbq1kG0
青春だなー

222: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/22(日) 02:58:17.70 ID:UyFGhznT0
この頃から俺の中で色んな価値観が変わり始めた
一所懸命自分の恋を走った大学生君
快闊な態度で俺に告白する決心を話した妹さん
そして幸せそうな爺さん

今まで、これでいいと思っていた自分の価値観が
とても不安定なものに思えてきて
それでいてとても前向きな気持ちになってきている気がした

もうとうに諦めていた青春が、自分の目の前で駆け巡っているのを感じた

223: 1 ◆yT5YRa9V0k :2012/04/22(日) 03:02:41.54 ID:UyFGhznT0
そして決定的な出来事が起こる

旅行も終わってしばらく経った夏の終わり
久しぶりに碁会所に行くと、とても嬉しそうにしている爺さんに会った

「久しぶりだなあ、聞いてよ」といって笑って俺に話しかけてきた

なんと、旦那さんと娘さんの間に子どもができたんだそうな
娘さんが妊娠したらしい。
とてもおめでたいことだった