一つの村が消えた話をする
Bは包丁を持ったまま、俺と小屋を出た。
小屋を出た瞬間、
A「きゃあああああああああああああああああああああああああああ」
Aの悲鳴が小屋から響いた。
俺「A!?」
B「クソオオオオオオオオオオ」
Bが小屋に戻ろうとするが、黒い何かが追ってくる。
「あああああ・・・・あああああああああああああ」
呻き声を上げながら迫ってくる黒い何かに、
Bは持っていた包丁を投げ、俺は掴んでいた塩の塊を投げた。
「あああああああああああああああああああ」
黒い何かの動きが止まった隙に、俺とBは逃げた。
獣道を無我夢中で走って、途中で何度も転んだ。
正直、この辺りの記憶は曖昧で、良く覚えていない。
数分程全力で走り続け、俺が転んだ時、
「ああああああああああ」
耳元で声がした。
それから俺達は無我夢中で走り続け、障芽池の森の周囲に張られた有刺鉄線の前に出た。
俺とBは無我夢中で外の大人達に助けを求め、自作の笛を吹いた。
それに気づいた神主一族の大人達に助けられた。
こええ
俺とBが障芽池の森から出てきた事を知り、
それは直ぐに村中に知れ渡り、俺とBの両親に家族、
神主一族の他にも多くの村人が障芽池の森の入り口付近に集まった。
何も言わずとも、
俺とBの服がボロボロである事から大体の検討が付いたらしく、
直ぐに神社の本殿へ連れてかれた。
既に本殿には村人全員が召集されており、異様な雰囲気だったのを覚えている。
神主「最初にお前達に憑いた存在を払う、辛いのを覚悟しておけ」
と言い、俺とBに無理矢理に酒や酢といった物を飲ませ、
身体中に塩を掛けた。
思いっ切り背中を叩かれたと同時に、俺とBは何かを吐いた。
蝋燭の火に照らされた嘔吐物を見ると、俺は無数の髪の毛を、Bは何枚かのお札のような紙を吐いていた。
背中に文字を書かれたと同時に、神主一族による祝詞が始まると、
俺とBはそれから何度も何度も嘔吐し、嘔吐物の中には虫のような生き物がいた。
数時間に渡るお祓いの後、俺達は風呂に入らされ、本殿に戻った。
神主「お前達が何をしてきたのか、それから聞こう」
神主と神主一族、そして村人の睨み付ける様な視線の中、俺とBは何をしてきたのかを話した。
続き
俺とBが事の話をしている途中に、神主は俺とBを思いっ切り殴った。
神主の妻、つまりAの母も話を最後まで聞いた瞬間に気絶してしまったり、
俺やBの両親もずっと俯いたままだった。
両親、親族に迷惑をかけた俺は、村から迫害されると思っていた。
神主「話を聞けば聞くほど、俄かに信じられんような内容だが、
今から私や一族が話す事は、もっと信じられんような内容だ。
心して聞け」
話を聞いた神主や神主一族が語った内容、教えてくれた内容を纏めると、
俺達が行った小屋というのは、
村の伝承に語られる「鬼小屋伝説」と呼ばれる伝説上の小屋だそうだ。
村人の殆どはこの伝説を知っており、
俺とBの話を聞いていた村人の中には、
村人「本当に小屋があるとはね~」
村人「昔は捜した捜したwwww」
と言う者が多くいた。
神主によれば、この小屋は伝説では無く実在するが、
小屋の存在自体から招かれなければ行く事は出来ないらしく、
神主自身も過去にこの小屋を見つけようと捜した事があるそうだ。
小屋に招かれれば、招かれた者は無意識に小屋へ向かうようになると言う。
その場合、小屋以外の目的で障芽池の森へ入ると、その目的の先には小屋が現れる。
要約すると、俺達はこの小屋に招かれてしまった為、目的であった障芽池や森の祠に辿り着く事が出来なかった。
神主一族の長老によれば、この小屋の名前は鬼小屋だが、中に住んでいるのは鬼でも幽霊でも無いそうだ。
この小屋の中で見た黒い何かと言うのは、この小屋に住む「障者」と呼ばれる存在との事で、この小屋には二体の障者が住んでおり、男性と女性の障者が住んでいる。
そして、男性と女性の障者は元は男性と女性の人間であったそうだ。
説明が長くなると思います。
申し訳ない。
村の伝承によれば、
数百年前に村と町の道が土石流によって数kmに渡り寸断され、
村の農作物が豪雨による小川の増水、水系の崩壊等の自然災害によって駄目になり、村が飢饉に陥った時がある。
飢餓状態となった村人が作物を探す中、
ある日、一人の村の男性が、村の女性を村奥の森の中の小屋に監禁した。
男性は飢餓の極限状態により、監禁している女性を暴行し、
奴隷のような状態にした。
簡単に言えば、女を使って遊んだとの事。
女性は飢餓による栄養失調や体力の減少で餓死してしまった。
肉に飢えていた男性は、その女性を解体し、食べた。
男性はその時に得た食人の快楽を求め、次々と村の女性を殺し、食べだしたと言う。
中には、生きたまま解体され、食人された女性もいた。
女性ばかりを狙うのは、彼が根本的に男性であるからだそうだ。
この男性の情報は村に広がったが、
村人の男達はこの男性を捕える所か、同じように村人の女性を殺し、共食いしだしたのだ。
殺し合い、食べていく内に人は狂って行き、
最初は殺される側だった村人の女性が村人の男性を殺した。
そして、それを見た他の女性も人を殺し、食べだすようになった。
数百人いた村人は数十人から数人へと減り、最後の村人の女性を食べた男は、森の中の小屋で自殺したと言う。
この自殺した男こそが鬼小屋の男性障者であり、
最初に暴行され、殺され、食べられた女性が女性障者である、
と伝承の伝説には存在する。
俺とBに憑いていたのは、この障者の両方の力であるそうで、
Bには男性障者の力が、俺には女性障者の力が憑いていたそうだ。
村人が消滅したこの村には、後に現在の神主一族の先祖「初代神主」の一家が引っ越し、村復興の始めに村の守り神となる神社を立てた。
家や道に残された村人の骨を村奥の池に水葬した後、
村奥の池に集まった、村人の怨念を封印し、名前を障芽池と名付け、
池自体を名前で縛った。
後世にも自分の力が村を守るようにと、自分の力を封印した石と、
その石を祭る祠を村奥の森の中に立てた。
強い怨念が留まり続ける、村奥の森の小屋の二階の扉を封印し、
小屋自体を人の認識外へと封印した。
初代神主の力では認識外への封印が限界で、
それが招かれれば行けると言う隙を作る結果となってしまった。
初代神主は子孫達に、この小屋を鬼小屋と語り、中に住む者を障者と呼んでいたそうだ。
初代神主は、この村で死んだ村人を弔う為、
この村に生きる村人を村の鬼から守る為、
この村で生まれた鬼を外界に出さない為、八月十五日に神社で行う村全体での祭り、即ち辿静祭、鬼無し踊り、浄縁神楽を残した。
村の伝承を残す用意をした過程で生まれた、幾つかの綻びを繕う為に、初代神主は最低限の三つの禁を残した。
初代神主は村に引っ越してきた者達、即ち今の村人の先祖達に、永久に村を守れるようにと、この村の伝承を受け継がせた。
長きに渡り、村の伝承は受け継がれてきたが、ある年、村の伝承を知ったある一族が森の祠へ行き、初代神主の力を得ようとする事態が起きた。
何故か森の祠にある石を壊せば、自分達にも力が宿ると思っていたらしい。
一族の企みを知った村人が神主一族に報告した事により、一族の行いは未然に防がれることとなった。
力を得ようとした一族は、村八分の後に村を追放された後、
人間関係で失敗し多額の借金を背負い、遂には一族で投身自殺した。
この事から、森の祠や、村の伝承の大半を村人に残さない方針に変わり、
この世代から神主一族にのみ管理が任せられ、森の祠の周囲にも封印がなされる事となった。
この当時のB一族は、この方針を無視し、一族内で森の祠の存在を伝えていたらしく、Bは両親の会話からその存在を知る事となった。
森の祠になされた封印は、八月十四日に弱まる為、その封印の組み直しを当代神主は、毎年一人で行う。
神主によれば、組み直された封印は、
来年の八月十四日まで弱まる事はないが、強い悪意の絡んだ何らかの手段で、この封印を破壊し、初代神主の力を得る事が可能だそうだ。
神主「この事態を機に、我々一族が隠していた秘密は村人に知られてしまった事になる」
神主「B一族は本来ならば村を追放されるべきだが、今は構ってられん」
神主一族「Aの囚われた小屋へ行く用意が出来たぞ」
神主「分かった。
俺君、B君、私は一族全員でAを救いに行く。
我々にも、初代神主が小屋に施した認識外の封印の解き方は知らされていない。
小屋から呼ばれている君達しか、もう一度小屋に行く事は出来ないのだよ。
正直、娘が今も生きているという保証はどこにもない。
既に遅いかもしれないが、協力してくれ」
俺「Aは必ず、この場所に連れ戻して来ます、任せて下さい」
B「禁を犯した自分が言うのもなんですが、これは自分に下された天命だと思っています」
神主一族「我々は途中まで君達に付いて行く。
Aを見つけたら直ぐにこの清めの水を飲ませ、背中にこのお札を張りなさい。
そして、清めの塩をAの身体全体に掛け、障者が現れたら○○○~と真言を唱えなさい」
神主「真言で障者を数秒止める事が出来ると思うが、止められなかった場合はひたすら走り、我々の下へ来るのだよ。
立ち止まって行けない事を忘れずに」
俺とB「はい」
俺とBは覚悟を決めた。
ふざけんなお前笑笑
全部読んじゃったじゃん!!!
因縁憑いたらどうしよう(°▽°)
ひぐらしとかリゾートバイトとかかんかんだらとかのよくばりセットかな?
山犬の遠吠えが云々って言ってるあたりで少し萎えた。山犬はとっくに絶滅してます。怖い話を創作して本物の体験談っぽくみせかけるの楽しいからは全然ありだと思うが、せめてもう少し真実味のあるものにしてほしい。あからさまに嘘とわかる話は萎える
ちんこがかゆくなったんだけど。此れも因縁の仕業か?
きも