一つの村が消えた話をする
神主によれば、昨日村を脱出した人は三十人近くいるらしく、殆どが老人の方だそうで、その殆どが老人ホームに暮らす事になるそうだ。
真夜中に村を出た一家によれば、田圃の畦道に身長百二十cm程度の顔が血に塗れ、手が六本生えた獣が立ち尽くしていたそうだ。
その獣の傍を車が通りかかると、足元には山犬の頭が転がっており、脳髄を引き出して遊んでいたそうで、こちらには見向きもしなかったらしい。
神主によれば、この獣は食人された村の子供達の怨念が形を変えて現れた存在らしく、人を襲わないが、人以外の動物を玩具にするそうだ。
これも村に封印されていた怪の一種らしい。
神主「今話したような怪の一種に、現象となって現れる怪そのもの、
そしてその怪の元とも言われる「因縁」は、村から放たれている」
神主「所縁、因縁と言った存在は、村と関係した者、
あの村を知る者、村の怪そして因縁を知る者に取り憑き、更に因縁を拡大していく」
神主「因縁によって起きた災厄があの村をこれから襲う。
何れ村が無人となる時、あの村は因縁の溜まり場、怪の溜まり場となるだろう」
俺は村に特別な未練がある分けでは無い、Bとの事も非道ながら断ち切った。
そして何より、自分自身、親族自身に、そしてAの身にまだ何も異変など起きていなかったから、あの村が妖怪とかの吹き溜まりになろうとも、知ったこっちゃ無い。
そう思っていた。
最後に村を出てきた他の一族によれば、
最終的に村に残った人達は二十人程らしく、老人や中年の大人がほとんど。
八月十七日から、村の中で黒い人影を見る者が増えた。
その人影は赤く濁った様な瞳で、奇声を上げながら不規則な動きで追いかけてくる。
それを見た者は、次々と精神を病んでしまったと言う。
精神を病んだ数日後には自殺、
奇声を上げながら障芽池の森へ走って行ったり、
家族に噛みついて、肉を食い千切ろうとする。
異常な行動が見られたそうだ。
それを見かねた人が村を出ようとすると、服を脱いだ大勢の村人が車の上に乗っかってきたらしい。
精神を病んだ人達の中でも数日持ち応えた者は、決まって全裸で村の中を夜中に集団で徘徊し、家の中に人を見つけては奇声を上げて飛び掛かり、人を何処かへ連れ去っていくそうだ。
こんな事態になれば、警察も動かざるを得ない。
八月十八日に警察が村へ入った。
しかし、幾ら家の中や森の中を捜しても、
生きた村人は誰一人として見つからなかった。
その変わりに、あちらこちらで死体が発見された。
自宅の風呂釜の中で茹で上がっている遺体
小川に水死体として浮かんでいる複数の遺体、
神社の木で首を吊っている複数の遺体、
そして森の中で首を吊っていたBの遺体等、
多くの遺体が見つかった。
それら全ての遺体の傍には、本人の物と思われる遺書が置いてあり、
集団自殺、事故死、病死と言う事で方が付くらしい。
唯、村を出て行った人数と、村で死んでいた人数が合わないらしく、未だに発見されていない死体が存在するとされている。
この件に関しては、村の有力者の多くが、事件をなるべく公にしないように手配したそうだ。
俺はBの遺書とされる物を見せて貰い、不自然な遺書のある点に気付いた。
今から書き込むのは、Bの遺書の一部。
「八月十四日、午後六時
この遺書が見つかる頃には、俺は死体で見つかっているだろう。
俺は今から障芽池の森へ行く。
未練が無い事は、ここに綴って置く。
ある時は笑い、ある時は怒ってくれた、俺とA、今までありがとう」
この遺書が書かれている時間帯は、
俺とBが待ち合わせをしていた一時間半前で、
俺とAの所にBが遅れてきた頃には、既に自殺していた事になる。
しかし、そう考えると俺とAの所に遅れて来て、
鬼小屋に行き、村に戻り、また鬼小屋へ行き、
障者に連れ去られていったBは?
と言う事になる。
仮に、俺とAの元へ遅れて来たBは既に死んでおり、
それから行動したBが他の何者かだったとしても、
俺は彼の事をBだと思う。
村に警察が入り、事実上この村の村人が零になってから、
数日後、神主一族の一人が自殺した。
Aとは血縁が遠い人ではあったが、良くAの面倒を見てくれた人だ。
神主「次は我々か、Aだけでも逃がさなくては」
神主によれば、村を離れた村人に憑いて居た因縁が数日経った頃に姿を変え、縁があるものにそれは作用しだしたそうだ。
村に残っていた村人の多くが死んだ今、村を離れていた者に災いを齎す為に、
因縁は活動を起こし始めた。
神主一族の一人が自殺して十数日、
Aの両親と俺の両親は、両一族の知り合いが経営する施設に俺とAを預けた。
どちらの両親とも最後の別れの言葉は、
「因縁は自分達で祓え」
だった。
当時はこの言葉の本当の意味を、理解出来なかったと思う。
それから数日後、Aの両親、
そして俺の両親は交通事故で他界した。
Aと俺の両親が死んだ時刻は、場所は違えど殆ど一緒だった。
「ある交差点の交通事故で即死」
施設の管理者からそう伝えられた俺とAは、涙が枯れるまで泣きじゃくった。
俺達は長い夢を見ているんじゃないかとね。
その数日後、俺の祖父母と曾祖夫母が、放火による火災で他界。
更に数日後、残ったAの親族全員があの村に行き、一家心中したとの事だ。
正直怖くて、Aと俺はテレビを見なかったが、記事になっただろうと思う。
当時は、何故俺達が施設に預けられたのか、自分でも良く分からなかったが、俺の両親も、Aの両親も、敢えて自分達との関係を断つことで、俺達を因縁から間一髪の所で救ってくれたのだと言うを、大分遅くなってから気付いた。
結構、長々と村の消滅について語ってしまった。
始めに時間が限られていると言ったのは、村の因縁に追われているからだ。
俺は、因縁の元となっている場所に行き、
やるべき事をやる予定でいる。
昔、俺に憑いた因縁を祓える人がいると聞き、
呪術に関係する村へ行った事がある。
その村も、その呪術が原因で村人の多くが死んだそうだ。
俺は多くの因縁を人に繋げてしまった。
この村の因縁を祓う事は出来ないが、多くの人に散らせる事によって、因縁その力を弱める事が出来る。
このスレに関係した人達の中には、
村の因縁と関わりをもってしまう人がいるかもしれない。
もし身近に災いを齎してしまった場合は、冷静に行動する事を進める
以上で本編、後日談を含めた話を終える。
数日は、質問があれば答えます。
…うん、ともあれ>>1の無事と健闘を祈る。
ふざけんなお前笑笑
全部読んじゃったじゃん!!!
因縁憑いたらどうしよう(°▽°)
ひぐらしとかリゾートバイトとかかんかんだらとかのよくばりセットかな?
山犬の遠吠えが云々って言ってるあたりで少し萎えた。山犬はとっくに絶滅してます。怖い話を創作して本物の体験談っぽくみせかけるの楽しいからは全然ありだと思うが、せめてもう少し真実味のあるものにしてほしい。あからさまに嘘とわかる話は萎える
ちんこがかゆくなったんだけど。此れも因縁の仕業か?
きも