絵を描き続けたら人生救われた ②


282:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/12(月) 23:08:12.00 ID:C73jG/nL0
なんか知らんがボロボロ泣き始めてる。
そに子「今までわたし華丸さんとすごい仲良しだと思ってて…
私には華丸さんしかいないし、華丸さんもきっとそうだって勝手に」
いやいや、冷静に考えれば俺と美保が付き合ってないなんてすぐ分かるだろ。
どうしちまったんだこの子は。俺「そんなの嘘に決まってるだろ…!?」

でもよく考えなくても俺はそに子に「好きだ」って一度も言ったことがなかった。
それどころか一緒にいるくせに付き合ってるって形でもなかった。
ただなんとなくいつも一緒にいただけなのだ。

気持ちをハッキリ伝えていなかったから、そに子がこの時こんな風に
なってしまうのは仕方のないことだった。

283:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/12(月) 23:12:46.58 ID:C73jG/nL0
そに子「わたし今日は先に帰るね…」
そに子は泣きながら笑顔を作って店を出て行ってしまった。
俺「いや、ちょっと待てよ…!?」
ああ、一体どんなこんなことを言われたんだろう。辛いのに我慢して俺と一緒にマックまで歩いてきたのだろうか。
俺はこの時そに子に気持ちを伝えていないことを本当に後悔した。




288:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/12(月) 23:18:12.67 ID:C73jG/nL0
そに子はこの日電話に出ることは無かった。
ある種また異性不信になりかけた。
詰んだ。と思った。
と、同時に美保に対して恐れではなく怒りが湧いた。
展示会は明日もある。
もしかしたら明日も来るかもしれない。そこで、ガツンと言ってやる。
そう決心したが、内心はすごい怖かった。
295:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/12(月) 23:23:42.63 ID:C73jG/nL0
二日目。
俺はシフトもないのにギャラリーの隅っこで体育座りしたりフラフラしたり
アイス食ったりして時間を潰していた。
やるせない気持ちでいっぱいだった。
きっといつかアイツが来る…。
すると、ギャラリーの奥でぼんやりしていた俺を呼ぶ声があった。
299:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/12(月) 23:32:36.58 ID:C73jG/nL0
部活の女子「ちょっと~華丸の彼女とか言う人きてるよ~」
は?
そこには美保が立っていた。
俺は流石に怒った。普段からビビリだけど。
俺「お前がいつ俺の彼女になったんだ!?」
俺「そに子に何を言った!?正直に言え!!」もう全力だった。でも声は震えてたと思う。
美保「いや…別に華丸はわたしの彼氏だから、近寄るなってカンジに…」
美保「まあ、そりゃぁ嘘ついたけどね」
304:名も無き被検体774号+:2011/12/12(月) 23:35:31.49 ID:AXQvbXf/0
今夜は寝られそうにないな。。。
305:名も無き被験体774号+:2011/12/12(月) 23:36:57.66 ID:ze7E89Fc0
続きが気になってのwktkとはこういう事を言うんだな
おにぎり食べたいんだな
306:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/12(月) 23:39:23.82 ID:C73jG/nL0
俺「もう…分かった…。もう二度と俺の前に現れないでくれ…
お前も俺も、関わったら良い事ないんだよ。分かるだろ?」
美保「でも、わたしはそれでも…」
俺「その気持ちだけでいいから…俺たちはダメなんだ、ごめん」
どれくらいの時間、何を話しただろう。
美保も案外悟ったのか、俺が予想を逸して怒っていたからか、
静かになって帰っていった。とてつもないエネルギーを使った気がした。
314:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/12(月) 23:53:59.69 ID:C73jG/nL0
全身全霊で美保を追い返した俺は、なぜだか泣きそうになった。
どうしたらいい?
そに子はもう2度と戻ってこないんじゃないかとも思った。
そに子に戻ってきてもらうためには、過去のことも、全部話さなければならないと思った。
話したところで信じてもらえるだろうか…?
離れたそに子の心を戻すためには、
やっぱり板尾の協力は絶対必要だった。幸い、板尾とそに子は面識もあったし、普段からそに子に板尾の話をよくしていた。
319:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 00:03:44.02 ID:i8RmR7sP0
それからしばらくしてから、俺はそに子に電話をした。
もうすぐ入学式とかも近い頃だったろうか。なんとか入学式は
笑顔で一緒に過ごしたかった。
俺はそに子をファミレスに呼び出した。会って話すのが一番だと思った。
そこには板尾と、もうひとり、高校時代のクラスメイトである市原を呼び出した。
(彼は市原隼人に似ているので)
市原は板尾以外にトラウマのことや俺が絵を描いている経緯など唯一知っている友人だった。
321:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 00:08:21.20 ID:i8RmR7sP0
この市原、なぜ今になって登場するのかと言うと、
特にストーリーに深い絡みはなかったからだ。
彼は絵を描かないし、そに子や板尾との絡みもない。
この話のあいだにも俺は彼の家に泊まったり鍋を食べたり彼の自転車をパンクさせたりと
色々やらかしている。
でもそんな彼は東大で研究者を目指しているというナイスガイなのである。
323:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 00:11:56.03 ID:i8RmR7sP0
さらに、男だけで集まってみて、
板尾「いや、女の子一人に対して男3人もいたらビビるだろ…」
俺「あー…」
かくして市原は近所のゲーセンに格ゲーをやりに行ったのであった。
真面目な話、当日集まるまで気付かなかった。
市原本当にすまない。
327:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 00:17:03.35 ID:i8RmR7sP0
そして俺は、板尾と一緒に誠心誠意そに子に伝えた。
全て話した。
正直、この話自体するのもキツイのだが、女の子に伝えるというのも辛かった。
なんというか、板尾がいるおかげで話に説得力が出たと思う。板尾「俺も相談を受けて…」
板尾がそう言う度にそに子は目に涙を浮かべた。
328:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 00:19:44.06 ID:i8RmR7sP0
そに子「ごめん…わたしそういう事全然知らなくて…
ひどいことした…ごめんね…」
そに子は案の定泣いてしまったのだけど、
何より誤解が解けて、本当に安心した。
全てを話すことが出来て、新しく心強い味方ができたな、とも思えた。
俺にとってそに子はますますかけがえの無い存在になった。
329:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 00:22:44.68 ID:i8RmR7sP0
店を出る。市原を呼び出す。
市原「もう終わったの?キスした?キスした?」
東大生だけどまったく空気は読まない市原。
すると、
板尾「まあなんだ…お前もしっかり決めとけよw」
板尾がニヤニヤして言った。
市原もニヤニヤしだす。
331:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 00:25:15.09 ID:NL0cAPG6O
市原可愛いなwwwww
そに子の誤解が解けて本当に良かった
333:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 00:25:29.42 ID:i8RmR7sP0
俺「あのそに子さん…」
するとそに子はハッとしたようにこちらを見る。
両者ともに顔面真っ赤だったろう。
そに子「はい…」
俺「好きです、付き合ってください…」そに子「はい、よろしくお願いします。」




335:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 00:26:40.50 ID:1DnG3Tnb0
きたあああ!
336:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 00:28:49.63 ID:Bx0JYEVlO
俺も絵描こうかなあああああああ
337:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 00:32:12.17 ID:1DnG3Tnb0
これなら教授の誘い断らんで芸術学部行けばよかったああああああああ
340:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 00:41:07.25 ID:ffWNpI5VO
すまん、ちょっとパソコン落ちてしまったから携帯から。
名前のトリップが本人証明ってことで。
パソコンがスタートアップ修復とかになっちゃったからしばし待ってくれ。
この話はまだまだ続くよ、すまん。
341:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 00:42:07.43 ID:MvmiOFwsi
大学っていいなぁぁぁぁぁあ
俺専門んんんんんんんん
今無職ぁぁぁぁあああ
342:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 00:43:57.12 ID:Bx0JYEVlO
>>341
ワラタwww
344:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 00:51:45.77 ID:i8RmR7sP0
パソコン復活したよー!みんなごめん。
そして本当にみんなありがとう。嬉しいよ。
突然ブラックアウトしてホント焦った。
この話、まだもうちょっと先が長いけど、お付き合いいただければ。
345:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 00:55:43.46 ID:mdvoHyNT0
>>344
付き合おう!
男だけど!
そに子ちゃんは俺が説得するから
二番目でもいいから
346:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 00:56:39.81 ID:i8RmR7sP0
キタ!キタ!キタよこれ!
俺は心の中で連呼した。
俺はその場でそに子を抱きしめた。
そに子は小さい声で「ふふ」
って言った気がした。この時、板尾たちはどんな顔をしてたのだろう。
ただ、市原の「マジかぁ~…」
って声は聞こえた気がした。
一体どんな感情なんだ、その言葉はw
348:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 01:00:40.31 ID:i8RmR7sP0
初めてまともに好きな人を抱きしめたと思う。
思えばあの時は有頂天だった。
板尾も市原も大笑いして「おめでとう!」って言ってくれた。
(市原は舌打ち混じりだったが)
本当に、嬉しかった、本当に。でも、この喜びは、すぐにどっかいってしまう。
349:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 01:03:01.96 ID:W8iFGv99I
くそっ!!
大学にいるのに女の子と話してない(´Д` )
ぐぅー。
350:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 01:03:20.98 ID:Bx0JYEVlO
そに子かわええええ
市原はなんなんだよ東大生のくせにww
このままハッピーエンドだよな!…な?
354:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 01:05:20.19 ID:i8RmR7sP0
そに子の入学式も、俺はまるで親父のように見に行った。
それからは幸せな毎日だったと思う。
そに子は新入生で色々忙しくなるけど、俺が色々サポートして。
楽にとれる単位は?なんてよく聞かれた。本当に板尾のおかげだったと思う。

俺は思っていた。
「ああそう言えば、去年のコミケで約束した、そに子と一緒に
板尾の美大に遊び行くって計画、いつやろうかな…」

356:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 01:08:32.30 ID:i8RmR7sP0
俺は近いうちに行こうと思っていた。俺「いつがいいかなあ。」
板尾「4月のうちは忙しいでしょう。まあそに子ちゃんも落ち着いたら
ゆっくり来なよw美大の中を巡るツアーをしてやんよw」
俺「まあ言うて俺は何度も行ったことあるがww」
板尾「まあねっw」
357:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 01:10:19.93 ID:i8RmR7sP0
この後また俺にとっては辛すぎる事が起きる。書くのも正直辛いんだが、頑張るよ。
これを書くために立てたようなスレだったしね。あれは5月のはじめだったろうか。GWだもんな。
358:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 01:12:19.18 ID:NL0cAPG6O
なんか涙でそう(´;ω;`)
360:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 01:16:14.07 ID:i8RmR7sP0
板尾が、GWに地元の山道でバイクで自損事故を起こした。帰らぬ人になってしまった。
俺は信じられなかった。高校の連中からメールやら電話が来る中で、
俺は段々と事態を飲み込んでいった。一体、何が起きているというのか?
まったく分からなくなった。
361:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 01:18:20.17 ID:wTv1K6zv0
おいまじかよ・・・
363:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 01:20:29.44 ID:i8RmR7sP0
故郷の板尾の家に行って、式に出て、なんとなく何が起きているか分かった。
嘘だと思った。嘘なら良かったな、本当に。
俺が信じられないくらい泣きわめくので、多分周りにいる人ドン引きだっただろう。
どうしていいか分からなくなった。
俺はそれから一週間近く家を出なかった。
何も食えなくなって、ひげだらけになっていた。




364:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 01:23:06.28 ID:jVfBO6m00
やっと追いついたまさかの急展開だなおい・・・
365:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 01:23:29.02 ID:i8RmR7sP0
思えば、色々な事が脳裏をよぎった。一緒に合同誌を出すって約束していたこと。

そに子と一緒に板尾の美大を巡る予定だったこと。

そして、板尾にいつか追いつきたかった……

すまんダメだ今俺もボロボロ泣いてる。
少し遅くなるかも、すおまん

370:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 01:32:14.14 ID:i8RmR7sP0
思えば、俺は板尾がいなければ本当にダメだった
彼には感謝してもしきれない。
いや、もう感謝とかそんなんじゃなかったんだと思う。
アイツがいなかったら俺は、どうなっていたんだろう。
俺は板尾を見返すと同時に色々恩返しもしたかった。
いつか、いつか…と。そんな存在が急に目の前から消えてしまった。
ポッと。突然、なんの前触れもなく。
372:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 01:38:34.67 ID:i8RmR7sP0
それからしばらくは夢を見ているかのようだった。
この歳にして親友を失うとは、思ってもみなかった。
スカイプを開いて、つい板尾にチャットを送りそうになってしまう。
そうすると、途方もなく虚しくなる。
これは、今でもたまにやってしまうんだが…
374:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 01:47:29.58 ID:i8RmR7sP0
ふう、みんなありがとう。
一旦シャワー浴びるから30分くらい時間空けるね。
眠い人は寝てください。付き合ってくれる方はよかったらお願いします。
見てくれてる人はどれくらいいるんだろ?
これでやっと全体の半分…もしかしたらまだ5分の2くらいかもしれない。
まだ続くけど、よろしくです。
376:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 01:49:49.69 ID:1EaWOpnn0
ほい、いっといで。
もうしばらくは起きてるし
379:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 02:04:21.93 ID:PwZirlHL0
ズキッときた…
言葉もないわ
389:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 02:34:36.70 ID:i8RmR7sP0
戻りました。
うわあ…みんなありがとう。こんな時間なのに…
なんとか完結まで持っていけるように頑張ります。
それじゃ、ぼちぼち再開しますね。
390:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 02:40:10.94 ID:6YPm6OEg0
ほんとすんません続きお願いします!
391:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 02:40:16.25 ID:i8RmR7sP0
俺はこの時、本当に人生で一番落ち込んだ時だったかもしれない。
そに子いわく、俺はほとんど笑わなくなったらしい。
辛くて辛くて、もちろんそに子に弱音も吐いた。
そに子は全部受け止めてくれた。
この時も、そに子の存在は大きかった。でも、それ以上に俺を助けてくれた奴がいる。
それが、市原だった。
393:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 02:45:09.41 ID:i8RmR7sP0
恋人であるそに子が俺をケアしてくれたのは大きい。
それは俺にとって本当に生きる支えだった。
でもこういう時は得てして、男友達の支えというのも非常に重要だった。メシとかを食べる気力を無くしていた俺を、市原は率先して自分の家に呼んだ。
そして市原鍋を振舞った。(白菜と豚肉をごった煮しただけ)
市原は高校時代3年間クラスを共にした男だった。

一緒にいると本当に落ち着いたし、楽だった。
市原の家に行くのは、自分の実家に帰るような感覚だった。

394:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 02:56:16.01 ID:i8RmR7sP0
市原の家に行くと、市原はよくオレに夢を語った。
市原「俺は獣医学を専攻して、動物の研究をするのさ…」
俺「へー…それって面白いのか…?」
市原「面白いとか面白くないとかではないんだよ。それが夢なんだから。」
夢。よくよく考えたら俺の夢ってなんなんだろうか。
395:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 03:05:18.13 ID:i8RmR7sP0
板尾と夢の話をしたことは一度しかなかった。
まだまだ19の少年だったから、目先の事に頭が一杯で、将来の話をする機会はあまりなかった。
その時板尾はポロッと言った。
板尾「俺は美術教師になる、絵の楽しさをダイレクトに伝えられるから」
俺は夢なんてまったくなかったし、「すげえなあ」
くらいで流してしまった気がする。
夢。美術教師。この頃からそんなワードが俺の頭をかすめるようになる。
396:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 03:11:02.47 ID:i8RmR7sP0
6月になると、冬に板尾と一緒に申し込んでいたコミケの当落発表があった。
結果は落選。
なんということか。
俺はそに子と一緒に何か本を出すつもりでいた。
目的を失った気がした。
そこに、去年の冬のコミケで一緒にサークル参加した板尾の友人から連絡があった。
397:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 03:15:37.13 ID:gk095lTZ0
うおお追いついた…!
俺も漫画家目指して漫画アシしてる。読んでてすごく元気になったし楽しみにしてるよ!
398:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 03:15:57.05 ID:i8RmR7sP0
友人「コミケ、どうだった?」
俺「いや、落ちちゃったよ…ダメだった。」
友人「そっか…それなら前回と同じように僕のとこで本を出しなよ」
なんと、またしても板尾の友人が俺を助けてくれた。
これには俺とそに子は二人して大喜びした。
本が出せる。コミケで。




403:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 03:27:38.12 ID:i8RmR7sP0
こんな感じで、6,7月はぼちぼち大学に通いながら
コミケに向けた絵を描いていく日々だった。
そに子は一緒に合同でイラスト本を出すと言っていたが、まだ
デジタルで彩色が上手くできないという事で駄々をこねられた。
なので、結局はそに子はコピーの折り本を、俺は個人誌を出すことにした。
彩色以外は、綺麗な線を描くし、正直俺と対して変わらなかったんじゃないだろうか…あと、書き忘れてたけどそに子は俺と同じ美術部に入部しています。
でも、特に部活で書くようなイベントがなかったので割愛してしまいましたw
406:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 03:33:17.42 ID:PwZirlHL0
いつか思い出話に出来るくらいに前向きになれたら
創作で板尾との過去を綴った作品描いてもええかもね
RIP
407:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 03:36:59.65 ID:i8RmR7sP0
俺は、今まで漫然とただ絵を描いていた。
ずっと描き続けて、いつかイラストレーターみたいになれたら…
そんな甘美な夢を見ていた。
でもこの頃から明らかに意識は変わっていたと思う。
よく分からないけど、コミケのイラスト集の絵はただひたすら
集中して描いていた。それでもたまにそに子から絵の相談を受けたりするので、そんな時は
楽しく絵チャとかやったりして、マッタリ絵を描くこともあった。
408:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 03:43:19.93 ID:i8RmR7sP0
板尾の死は、よくも悪くも俺を変えた。
もう自信作を描いても、「いいじゃんそれ!」
と言って笑う板尾はいないんだから。
コミケの原稿も一段落した8月の初旬、俺は美術部の合宿に行った。もちろんそに子も一緒に。
夏合宿。まあ、楽しいレクリエーションだ。みんな夜通し語り明かしたりもする。
俺はこの合宿で相談したい相手が居た。
409:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 03:43:54.09 ID:TsjlM4fB0
お前の絵が早く見たい。
お前の優しさとか人格がこの文章からよく伝わってくる。きっといい絵を描くんだろうなって思った
411:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 03:58:59.57 ID:i8RmR7sP0
一個上の部長。
部長は、芸大受験の経験もある、かなりアーティストな人だった。
そう、俺はこの時決心していた。
東京学芸大の中等美術科に行って、美術教師になってやる…
そのためには大学を辞めることや仮面浪人もいとわなかった。
夢が、見えた気がした。芸大や美大受験とはさすがに勝手が違うが、それでも部長の意見を聞いてみたかった。
412:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 04:00:57.91 ID:i8RmR7sP0
とりあえず、もう4時になってしまったので一旦今日はここで休憩にします。
見てくれた人、本当にありがとう。
また明日の夕方~夜あたりに続き書きます。落ちたりしないよね?
442:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 17:02:42.36 ID:P1VUjXiJ0
みんなこんにちは。
こんな時にアクセス規制くらって、どうしようかめっちゃあわてた。
なんとか2ちゃんビューアを導入して戻ってきた。
ここまで読んでくれてありがとう。これを読んで何か感じてくれたなら嬉しい。
時間があったら是非最後まで付き合ってください。
443:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 17:10:18.61 ID:P1VUjXiJ0
今日も、ぼちぼち続きを書いて行きたいと思います。
話は折り返し地点くらいまできました。
447:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 17:14:15.92 ID:smPPWPLm0
おかえり!
続き待機!
448:華丸 ◆vk8BsG8fow :2011/12/13(火) 17:17:03.74 ID:P1VUjXiJ0
夏合宿。
みんな浮かれ気味である。
俺たち美術部一行は、とある片田舎の避暑地に行った。
バスでは、俺とそに子は隣に座らなかったが、
それをひたすらにブーイングされた。
なんだかんだで遠藤と仲よかった俺は、何故か遠藤の隣だった。遠藤「今年の一年女子をこの合宿で見極める…」
俺「がんばれよ」

でも遠藤は途中からバス酔いしたので静かで楽だった。

449:名も無き被検体774号+:2011/12/13(火) 17:17:48.13 ID:GD7pbpce0
21歳…同い年か。くそっ俺は一体何をしてるんだ…
俺も絵を描いてる。これから先辛いことはたくさんあるだろうが俺も描き続けるわ