駆け落ちして田舎から逃げた話。 - 暇つぶしのゆいたんねる

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駆け落ちして田舎から逃げた話。

投稿日:2016年9月27日 更新日:


1: :2012/01/24(火) 23:33:13.65 ID:
立ったら書く。

2:2012/01/24(火) 23:37:13.12 ID:

ちょっと昔の話だが、田舎の村から幼馴染の子と駆け落ちして逃げたwww
とんでもないしきたりのあるクソ田舎www

3:2012/01/24(火) 23:41:25.85 ID:

小学生の内から婚約者の内定みたいなのを決めてたりする田舎。
十歳上の許嫁とかリアルで有ったとんでもない所です

4:2012/01/24(火) 23:47:15.06 ID:

さっさとかけ

5:2012/01/24(火) 23:48:22.28 ID:

すまん。

で、例外なく僕にも許嫁がいました。
仮に名前を有紀子とします。




7:2012/01/24(火) 23:48:30.17 ID:

未だにそんな許嫁制度みたいなんがあるとこあるんだな

8:2012/01/24(火) 23:53:22.46 ID:

彼女は同い年。
ただ、村の権力者の大地主の所の娘。
本来なら僕の実家の様な弱小農家と許嫁など結ぶことがあり得ないのだが、
僕らの生まれた年に許嫁を結べる子供が居なかった(ここは聞いた話なんでよくわからない)
というのと、地主夫婦がまだ若く、家を継ぐ男の子がどうせ生まれるという
理由で、彼女と許嫁になったらしい。

10:2012/01/24(火) 23:56:08.50 ID:

僕の両親、祖父母に関しては大喜び。
婆ちゃんなんてその話が決まった時(僕が生後半年位)
神棚に一晩中お礼を言い続けたらしい。
また、村でもちょっとした話題になったという

11:2012/01/24(火) 23:58:48.89 ID:

そんな関係なんで、有紀子とは小さいころから仲が良かった。
彼女の家にも頻繁に遊びに行ってたし、小学校一年くらいまでは一緒に
お風呂に入ってた。
家の人もかなり暖かく迎えてくれていた。

13:2012/01/25(水) 00:03:48.25 ID:

小学校高学年になる頃には、お互いに将来結婚する事がしっかり意識
出来てた。
というか、僕は実際有紀子が大好きだった。
なので、周囲の同級生が
「あの子好きだ~」とか「でもあの子○○好きなんだぜ」
とかの話題で一喜一憂してる時はすごい優越感があった。

15:2012/01/25(水) 00:09:58.57 ID:

僕の通っていた小学校はいくつかの村から子供が集まってくる所
だったが、許嫁制度があるのは自分の村だけだったようで
僕たちの関係はかなり好奇の目で見られたし、女子にはかなりからかわれた。

14:2012/01/25(水) 00:05:06.88 ID:

パンツどうすりゃいい?

16:2012/01/25(水) 00:12:53.59 ID:

>>14 履いててくだされ。

ところが、中学校に上がった頃。
問題が起こった。

18:2012/01/25(水) 00:17:00.60 ID:

地主の夫婦、つまり有紀子の両親だがいつまでたっても子供が生まれない。
期待されていた男の子が生まれない。
これに地主の一族が焦り出した。
若い事に期待してすぐに次の子供は生まれると思っていたから。らしい。
実際、有紀子の両親は結婚してすぐに有紀子が出来ている。

19:2012/01/25(水) 00:20:25.37 ID:

更に悪い事に、有紀子の母親が病気になり、子供が期待できなくなってしまった。
こうなってくると話が変わってくる。
中一の11月。
僕と両親は有紀子の家に呼ばれた。

22:2012/01/25(水) 00:23:14.62 ID:

そして、有紀子の婆さんからいきなり
「お宅の倅とわしの孫との許嫁の話は無かった事にする」
と一方的に告げられた。
そして、その後何も言う間もなく追い返された。

23:2012/01/25(水) 00:26:40.38 ID:

僕は全く状況が理解できなかった。
父親は茫然としてるし、母親は唇を真一文字に結んで震えていた。
家に帰って両親が祖父母にその話をすると、
祖母は僕に「何かお嬢さんに粗相したんじゃないか」
と詰め寄り、祖父は魂の抜けたようになっていた。

25:2012/01/25(水) 00:31:00.39 ID:

それからというもの、我が家は村の中で非常に肩身が狭くなっていた。
村中の噂の的になってしまった。
「鯛に逃げられた。」
とか
「地主さんの目が覚めた」
だの。
母が日に日にやつれていくようで、子供ながら非常に申し訳ない気持ちだった。

27:2012/01/25(水) 00:35:17.86 ID:

そして、中二の春。
僕は許嫁解消以来、話しかけられなくなっていた有紀子に声をかけた。
彼女も僕を避けるような感じになっていたんで、非常に気まずかった。
「なぁ。僕の事、きらいなん?」
どう声を掛けていいか判らずとっさにこう言ってしまった。
恥ずかしくて顔を真っ赤にした。
すると
「ううん。好きだよ。ずっと。」
と言われた。

もう死ぬかとおもった。

28:2012/01/25(水) 00:36:20.96 ID:

ゆっこかわえぇ

29:2012/01/25(水) 00:38:32.08 ID:

「じゃあなんで?」
と思わず詰め寄ると、
「お婆ちゃんが、お家の為だからって。もう新しい許嫁も決まってる。」

・・・死にたくなった。

30:2012/01/25(水) 00:44:04.35 ID:

「誰!?」
思わず大声をだしてしまい、有紀子が肩をびくっとさせた。
「・・・○○さんの家の太一さん」

聞いて愕然とした。
その家は確かに名家だが、そこの太一と言えば三十過ぎのおっさんだ。

31:2012/01/25(水) 00:49:24.00 ID:

ショックで何も考えられなくなり
「あぁ・・そう・・」
としか言えなかった。
さらに彼女はつづけて言う。
「あのね。18になったらその人と結婚するんだって。」

吐き気がしてきた。
彼女が18の時、太一は40になっているはずだ。
虎舞竜か!




32:2012/01/25(水) 00:51:52.29 ID:

しえん

34:2012/01/25(水) 00:53:51.90 ID:

その日は、どうやって家に帰ったのか覚えていない。
気が付いたら自分の部屋にいて、泣いてた。
悔しくて悔しくて仕方なかったのを覚えている。
翌日、目が真っ赤になっていたのが恥ずかしくて
学校をさぼった。

38:2012/01/25(水) 00:59:12.64 ID:

しかし、1週間もすると絶望感よりも怒りが込み上げてきた。
当時、良い感じに中二病を発症し始めていた僕の思考は
1、太一を消す
2、太一を浮かす
3、太一を○○
の三択になっていった。

40:2012/01/25(水) 01:03:12.09 ID:

ジャ○プの背表紙裏の通販で購入したエアガンを持ち
山に入り、射撃訓練を繰り返し来るべき決戦に備えた。

しかし、ここで思わぬ問題発生。

太一は引きこもりだった。

42:2012/01/25(水) 01:09:27.90 ID:

ターゲットが表に出てこないのでは意味がない。
戦わずして敗北感が漂う。

どうする!どうするの俺!
と無い頭絞ってとにかく太一を○○することを考えていたある日
夜、食事中にみていたTVドラマから思いもよらないヒントを得た。

そのドラマでは、両親に反対された男女が遠くの地へ仲良く逃げる話が
描かれていた。

そう。 「駆け落ち」である。

すぐに僕はコレだ!!と思った。

43:2012/01/25(水) 01:12:41.65 ID:

この時の僕に駆け落ちの大変さなんて微塵も判るはずもない。
何故ならドラマはハッピーエンドだったから。
この時の僕の心の声
「何があっても有紀子は僕が守る!」
今思い出しても恥ずかしくて死ねる黒歴史。

44:2012/01/25(水) 01:15:53.26 ID:

そうと決まれば善は急げとばかりに準備を進めた。
まず、JAで全財産をおろす。
お年玉貯金だ。
・・・しかし、思った以上に金額は少なかった。
10万チョイ。記憶通りならもっとあったハズ。

良い子のみんなは、お母さんにお年玉は預けちゃダメだぞ。

46:2012/01/25(水) 01:23:10.17 ID:

そこで、欲しいものが出来たと嘘をつき、おこずかいの前借や祖父母の手伝いで
資金集めをした。
結果12万弱が駆け落ち資金となった。

そして、7月25日。夜11時。
僕は有紀子の家に侵入した。
闇に紛れる為、全身黒の衣服に黒のバンダナで口元を隠し、サングラス。
どう見ても不審者です。本当に

48:2012/01/25(水) 01:29:49.29 ID:

ここで気付く。
夜、サングラスでは何も見えないという事に。
サングラスは速攻で捨て、レッツ潜入。
彼女の家は犬を飼っていたが、幸い僕に慣れていたので吠えられることなく
彼女の部屋の窓の前までたどり着いた。
まだ起きているようで電気がついていたので、ゆっくり窓を開ける。

結論から言おう。
女の子の部屋の窓は許可をもらってから開けよう。
お兄さんとの約束だ。

50:2012/01/25(水) 01:36:17.82 ID:

衣類の整理をしていたらしく、下着が床にいくつもおかれていた。
「よっ!」
と明るく声をかけたものの目線が自然とそちらに向く。
彼女は一瞬声をあげそうになったが、押し黙って
僕にビンタすると
「ちょっと待って」
と言ってカーテンを閉じた。

53:2012/01/25(水) 01:39:53.82 ID:

数分してカーテンが開き
「はいって良いよ。」
と言われ室内へ。
久しぶりに訪れた有紀子の部屋は女の子らしい部屋になっており、
その雰囲気とパジャマの彼女と相まって胸がドキドキして苦しかった。

54:2012/01/25(水) 01:44:34.55 ID:

「それで、こんな時間にどうしたの?」
と言われ、思い切って
「僕と駆け落ちしよう!」
と告げた。
有紀子はかなり驚き
「え!?無理だよ!」
とか
「子供には出来ない!」
と言っていたが僕はここで
ぼくのかんがえたかっこいいせりふ を放った。
「大丈夫!どこでどんな困難があっても僕が有紀子を守って見せる!」

・・・自分は痛い子です

57:2012/01/25(水) 01:48:06.88 ID:

しかし、意外な反応が有紀子から帰ってきた。

「本当?」
じっと僕の目を見つめて目をうるませている。
やばい。胸の鼓動で死にそうだった。
「もちろんさ!」
そう言ってそっと抱き締めた。

この時、僕は最高に僕自身に酔ってたわけで。。

58:2012/01/25(水) 01:51:50.11 ID:

で、打ち合わせの末三日後に村を出ようと決めてその日は一時帰宅。

そして運命の三日後。
午後3時。
僕は部活と偽り、村のバス停へ。
有紀子は図書館に行くと偽りバス停へ。

ここから僕らの駆け落ちが始まった。




59:2012/01/25(水) 01:52:34.00 ID:

かっこいいぞー少年!

60:2012/01/25(水) 01:54:31.34 ID:

バスが村の境を抜けた時。
僕の心の中は 成功 の2文字しか無かった。

この後行くあて等有りもせず、数少ない資金。
けれどそんな事など一切頭にない。
何故ならドラマの中の駆け落ちはハッピーエンドだったから
という理由で

61:2012/01/25(水) 01:57:35.67 ID:

そして、バスが町の駅に着くとその駅から出る電車で一番遠い町の切符を買った。
駆け落ちとは遠くへ行くものだと思っていたから。

そして、電車に乗り、目的地に着くまで2人でずっと他愛ない話を続けた。

62:2012/01/25(水) 02:01:40.87 ID:

電車を降りると時間はもう夜の8時をまわっていた。
見知らぬ町の夜。
急に不安になってくる。
「ねぇ、夜どうするの?」
そう言われてハッとする。
なんと言ってもノープラン。
そんなこと考えてなかった。

63:2012/01/25(水) 02:06:33.19 ID:

「大丈夫だよ!」
と粋がって見せ、近くの旅館の受付に入ってみる。
「すみません。2人なんですけど大丈夫ですか?」
受付のおばさんが不審そうな顔で僕たちをみる。
「君たち、2人?親御さんは?」
やはり中学生2人と言うのは怪しいのか。
「ええ、親戚の家まで夏休みを使って2人だけで行ってみようって。
その途中なんです」
有紀子がアシストを入れる。

64:2012/01/25(水) 02:09:49.84 ID:

「けど、電車間違えちゃって。電話したら今日はどこかに泊って明日行きなさいってお母さんが。」
と続ける。
やはり、疑うような視線を向けてきたが、
「では、こちらに記入を・・・」
と受付の用紙を出してきた。
僕がホッとしたのもつかの間。
用紙には住所と連絡先の欄があった。

66:2012/01/25(水) 02:14:38.22 ID:

しかし、ここで躊躇えば、間違いなく怪しまれる。
そう思い、半ば投げやりな気持ちで自分の住所を書いた。
電話番号だけは1文字変えてかいた。

部屋に案内されホッと息をつく。
「とりあえず、ゆっくりしよう。お風呂入ってくるね。」
そういうと有紀子は部屋をでる。

彼女が部屋を出た後、どっと疲れがでた。

67:2012/01/25(水) 02:19:37.61 ID:

今日は何とか泊る事に成功した。
けど明日は?
今後資金はどうする?
など、ここにきて僕の無計画さから来た問題点が一気に噴出した。
最大の問題は宿泊所と資金だ。
今日だけで二万円は使ってしまっている。
あと数日も持たないのではないか。

どうしようもない不安が押し寄せてきた。
気を紛らわせようと風呂に行く。
だが結局もやもやしたまま風呂を出た。

68:2012/01/25(水) 02:20:56.28 ID:

すごい行動力だな

69:2012/01/25(水) 02:22:03.51 ID:

なぜかこっちまで緊張してきた

70:2012/01/25(水) 02:23:18.92 ID:

部屋に戻ると、有紀子が浴衣に着替えて布団に座っていた。
その瞬間、さっきまで考えていた不安が引っ込むと考えは下心に切り替わった。

何でもないふりして隣に座る。
良い匂いがする。

72:2012/01/25(水) 02:26:17.45 ID:

もう期待感MAXだった。
「どうしよう!どうしよう!」
と心の中で勝手に先走った考えでいっぱいだった。
「ねよっか。疲れちゃった。」
有紀子がそういって僕を見た瞬間。
よっしゃ!
と思いましたね。

71:2012/01/25(水) 02:25:09.08 ID:

ゆとりには難しい話かもしれないけど、
地主制っていうのは農地改革でなくなったんだよ。

74:2012/01/25(水) 02:30:29.61 ID:

>>71 地主制度は無くなっても昔の地主が未だ権力持ってるのが田舎。何でだろうね。

まぁ、結局どうしたらいいかも判らず、僕もヘタレだった為
何も起こらず2人別々の布団に入る。
電気を消すとまた、明日からの不安が押し寄せてくる。

75:2012/01/25(水) 02:33:35.27 ID:

「どうなっても私はいいから。」
不意に有紀子が言う。
どういう意味かは聞けなかった。
ただ
「ああ。」
としか言えなかった。
結局何も考えつかないままその日は眠った。

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