1: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:21:12.63 ID:qZA5vYVTO
立ったら書く。
2: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:21:56.31 ID:PtjPmFzU0
かまわん
つづけろ
5: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:26:14.36 ID:qZA5vYVTO
大学に進学した時、俺は地方出身だったから東京で一人暮らしを始めたんだ。
当時は東京の電車の煩雑さにも恐れを抱いていたため大学の最寄り駅に部屋を借りた。
勿論貧乏だったから三畳一間だ。
11: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:30:50.33 ID:qZA5vYVTO
文学少年だったおれは、なぜか大学も行かず家で小説ばっか読んでたんだww
一人暮らしによくあるパターンだな。
そんな墜ちきった俺でも、唯一週間にしてたことがあったんだ。
それがスレタイにあるように、毎日夜にトンカツ屋に行くこと。
12: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:33:46.45 ID:qZA5vYVTO
商店街の精肉店がやってる店で、そりゃあもう安い値段だった。
料理もできない貧乏な俺は、そこで毎日、ソースカツ丼の大盛と無料のキャベツの大盛りの一食だけで餓えを凌いでた。
13: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:33:50.70 ID:vdWrTxCS0
よく毎晩トンカツ食えるな
どんだけ揚げ物ジャンキーなんだよ
16: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:36:07.78 ID:qZA5vYVTO
毎日、昼頃に起きて文豪の書いた小説を読み耽り、腹が減ったらそのトンカツ屋に行き、朝までまだ読み耽るという、カスな大学生にしか出来ない自堕落な生活をしていた。
14: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:34:10.64 ID:JijLm+Q80
デブでしょ?
21: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:39:29.35 ID:qZA5vYVTO
>>14
体質なのかわからんが、いくら食っても太らないんだ。
しかも大食いだったから食費の心配がかなりあった。
でも、金がなくてキャベツだけの日とかもあった。
半月ぐらい通ってたある日、
店で一人の女の子が声を掛けてきたんだ。
「太宰治、好きなんですか?」と。
22: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:40:33.14 ID:dSqbbus20
>>21
もしかしてお前、又吉じゃね?
26: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:45:13.80 ID:qZA5vYVTO
>>22
又吉、確か大学行ってなくね?
30: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:51:17.74 ID:dSqbbus20
>>26
いや又吉がそういうもうそう小説書いてんのかと・・・www
15: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:34:44.21 ID:MKKNSeDW0
デブだろ
17: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:36:11.53 ID:DSPJZLDI0
デブなんだろ
23: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:44:27.69 ID:qZA5vYVTO
その女の子は家族で営んでる精肉店の娘で、週何回か手伝いをしてた。
正直、かなりの美人で、よく常連客のおっさん共がちょっかい出してた。
ちなみにボッチ常連の俺はボッチ相応に女性と話すのも苦手だったわけで、
美人だなー、と思いつつも横目で見るというような気持ちの悪い行為に勤しんでいた。
25: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:45:03.78 ID:PtjPmFzU0
食う時は本を読むな
28: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:49:57.19 ID:qZA5vYVTO
ああ、スペックか
俺
176cm
55キロ
顔は藤原達也?をなんかどんまいにした感じらしい
33: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:55:53.92 ID:qZA5vYVTO
で、
話し掛けられた時、俺は太宰治の斜陽を読んでいた。
「え…ぁ……ええ、はい」とキョドりぶりを発揮し、終わった、と思った。
だけれど女の子は俺が肯定した時、顔を笑顔でいっぱいにし
「そうなんですか!私も太宰大好きなんです!」と言った。
amazon:とことん! - とんかつ道 (中公新書ラクレ)
34: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 13:57:24.88 ID:OsGhriJP0
>>33
こいつ人間失格だな
36: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 14:00:17.84 ID:58nnTNFP0
あー、割腹自殺した人の本か
41: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 14:10:24.51 ID:4z7KXBVDO
>>36
節子、それ三島由紀夫や。
37: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 14:01:24.40 ID:qZA5vYVTO
「どんな……どんな作品が好きなんですか?」
「全集を一通り読みましたけれど、一回りして人間失格が一番好きなんです。」
「皆、共感できると人気ですよね」
「そう!駄目具合がもう私とそっくりでww……あ、ごめんなさい」
その時の酔ったおっさんどもの罵声は今でもよく覚えている。
38: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 14:02:22.51 ID:KgjbHpDX0
なんちゅうええ娘や……
40: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 14:03:53.62 ID:R+XKSrez0
つか大学池よ親不孝者
42: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 14:10:30.00 ID:qZA5vYVTO
それから、少女は度々話し掛けてくれるようになった。
太宰は自殺してから女に縄で入水してくれるよう頼んだんだ、彼は相当のナルシストだったからぶくぶくに膨れた惨めな姿を見せたくなかったんだよね。という自慢にもならない太宰に対する持論を、少女は目を輝かせて聞いてくれたりもした。
43: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 14:17:05.13 ID:qZA5vYVTO
少女の経歴を聞くと、今は高校生で大学は、俺の行きたい大学を目指してるとのこと。
一方俺は、大学をサボり続けていて、留年が早々に確定していた頃合いだった。
45: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 14:29:19.20 ID:fobgxVswO
走れロース
46: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 14:34:12.57 ID:zB2P6mwoO
ロースww
48: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 14:37:49.73 ID:6MzDyLrp0
1にはカツ丼がよく似合う
51: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 14:48:50.00 ID:R+XKSrez0
俺は文学良く知らんけど
「太宰は自殺してから女に縄で入水してくれるよう頼んだんだ」
これってどういう意味?
52: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:04:27.39 ID:qZA5vYVTO
>>51
入水自殺すると、水飲み込んでぶくぶくになって死ぬんだ。
だけれど、太宰は綺麗な姿で死んでいた。
つまり、太宰は入水する前から死んでたんだ。
53: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:06:37.17 ID:R+XKSrez0
なるほど、死体を水に沈めてくれって頼んだのか
55: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:12:27.70 ID:qZA5vYVTO
>>53
死体を投げ入れたら、水吸い込まないから浮いてきてしまうんだ。
だから生きてる女は太宰を自分の体に縛り付けて、川の中に飛び込んだ。
54: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:10:19.27 ID:DoYsdE/U0
確かにわかりづらいw
小説家にはなれんわなw
57: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:16:19.99 ID:qZA5vYVTO
続き
いよいよ、俺の素性が気になったのか、ついにあのことばを聞かれてしまった。
「お兄さん、何をしている人なの」
59: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:21:06.89 ID:qZA5vYVTO
「カツ丼食べながら小説を読む人だよ」
「もう!そういうことを聞いてるんじゃないわ」
「んーー?」
「お仕事よ、お仕事」
「んーーー。」
「話さないと出禁にする」
「わかった、わかった。………○○大学だよ。」
「!!、なんで言ってくれなかったの」
「……サボってるから…かな。」
ついに言ってしまった。
60: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:22:44.03 ID:s8Zc5n7x0
いつの話?
62: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:24:40.62 ID:qZA5vYVTO
>>60
随分昔の話
61: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:23:20.46 ID:qZA5vYVTO
「そう」と少女は無機質な声で返事した。
「うん」
「そっか」
その日はこれ以上居られないと思い、勘定を済ませた。
63: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:25:19.42 ID:aVo4sz+1O
母親は激怒した
64: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:36:03.49 ID:qZA5vYVTO
読んでる人いるのかえ
65: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:37:24.03 ID:6MzDyLrp0
必ず、かの親不孝者の1を除かなければならぬと決意した
読んでる
71: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:40:32.34 ID:qZA5vYVTO
んじゃ続けるー、小説じゃないんだからもっと普通に書いたほうが良いよなw
73: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:42:46.20 ID:6MzDyLrp0
1には授業内容がわからぬ
1は某大学の学生である
本を読み、かつ丼を食して暮らして来た
1の書きやすいスタイルでよろ
74: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:43:30.09 ID:qZA5vYVTO
それからしばらくの間、俺は、そのトンカツ屋に行くのを控えてたんだ。というより、なんだか行くことができなかった。
慣れない料理をする気にもなれず、毎日レトルトのカレーとパンの耳というアンバランスな食品で生き長らえてた。
77: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:46:34.16 ID:qZA5vYVTO
それを1ヶ月続けた当たりで、限界をついに感じ、その少女が手伝ってない日を狙って、トンカツ屋に出向いた。
実に1ヶ月ぶりのカツ丼、マジで美味い。マジで安い。
それから、行きだしたんだが、どうも少女が来る気配がない。
78: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:50:32.87 ID:bGACB2so0
走れエロス
79: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:54:14.45 ID:qZA5vYVTO
もちろん、精肉店と家は繋がっているので、ちょこちょこ顔を出すはずなんだ。
再び通いはじめて、その数字が二桁になる頃、ようやく少女が現れた。
「あ、やっときた」
「お…おう」
「餓死しているのじゃないかと心配してたんだから」
「耳食ってた」
「ミミ?誰の?」
「いや、なんでもない」
「変な人。そんな変な人に朗報があるよ」
「なんだ」
「お兄ちゃんの大学無事合格して、春から通わせて頂くことになりました」
なんと、気付いたら受験シーズンも終わってたらしい。
小説の魔力とは恐ろしい。
80: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:57:10.32 ID:qZA5vYVTO
「よく受かったな。偏差値全然足りてなかったじゃないか」
「あれから猛勉強して、特待生になったの」
「」
恐ろしい子っ
「だから、春から家まで毎日朝起こしに行く。」
「おいおいマジかよ……」
「マジ。大マジ。」
81: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:58:39.07 ID:JwFRgcnm0
wktk
83: 名も無き被検体774号+ 投稿日:2012/02/09(木) 15:59:30.25 ID:qZA5vYVTO
春になった。
相変わらず俺は自堕落な生活を送ってたわけで、春から大学に行く気などさらさらなかった。
だが、外から声が聞こえた
「お兄ちゃーーん、朝だよ!!!早く準備して!!!!」