1:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 08:59:18 ID:tX72ZLGk
やや下ネタ注意
【夜 男子寮】
エレン「なんだそりゃ? 昼の立体起動と何が違うんだ?」
アルミン「ぼくも聞いたことがないね。そもそも夜間は訓練禁止のはずだし、装置を動かしたら音で分かると思うんだけど」
ジャン「俺も詳しくは知らんが、さっきトイレに行ったときに上官が話しているのを聞いたんだ」
エレン「で、それがなんだっていうんだよ」
ジャン「上官いわくだな、夜の立体起動は、すげえ気持ちいいらしい」
エレン「はあ?」
アルミン「き、気持ちいい?」
ジャン「ああ。身体中を快感が駆け巡るそうだ」
エレン「巨人に出くわしたときみたいな感じか!?」
ジャン「果てには絶頂を迎えるらしい」
エレン「巨人を討伐した瞬間みたいな感じだな!?」
ジャン「なんでも巨人で喩えるんじゃねーよこの死に急ぎ野郎が!」ガシッ
エレン「うるせー服やぶけちゃうだろうがあ!」グワシッ
アルミン(立体起動…快感…絶頂…あ、これS●●のことだな)
2:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 09:14:39 ID:tX72ZLGk
アルミン「や、やめなよ二人とも!」
ジャン「ふぅ……ふぅ……」
エレン「はぁ……はぁ……」
アルミン(ふたりとも息も絶え絶えだ……まるで事後みたいだな)
【翌朝 食堂】
ミカサ「おはよう」
エレン「おう」
アルミン「おはよう、ミカサ」
ミカサ「エレン、聞いて。エレンの瞳の大きさが、通常時の0.85倍しかない」
エレン「?」
ミカサ「気になることがあって、なかなか眠れなかった証拠」
エレン「……あぁ、別になんでもねえよ」
ミカサ「話してほしい、私に」
エレン「お前には関係ないことだろ、母親ヅラしていちいち詮索してくんなよ」
ミカサ「悪かった」シュン
アルミン(ミカサが凹んじゃった。まぁいつものことだけど。エレンが気になっているのは、おそらく昨晩の――)
3:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 09:20:27 ID:tX72ZLGk
アルミン「エレンは、夜の立体起動のことが気になってるんだよ」
ミカサ「夜の、立体起動?」
エレン「おいアルミン余計なこと――」
アルミン「まあまあ、いいじゃないか」
アルミン「あのねミカサ。噂によるとこの訓練所には、夜の立体起動なるものがあるらしいんだ」
アルミン「それはすごく気持ちの良いことで、ぼくたちに快感を与えてくれるんだって」
ミカサ「気持ちの良いこと……」
ミカサ「私もエレンと、気持ちの良いことしたい」
エレン「おいおい、なんですぐそうなるんだよ」
アルミン(うっはw)
4:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 09:37:00 ID:tX72ZLGk
ミカサ「エレン。あなたがいれば、私はなんでもできる」
ミカサ「私は、強い。すごく強い。ので私は、何度だって夜の立体起動をすることができる」
アルミン「ほらエレン、ミカサも気になるって言ってくれてるんだから、素直になろうよ」
エレン「わかったよ。夜の立体起動が何なのか分かったら、一緒にしてやるよ、俺が何度でも」
ミカサ「///」ポッ
アルミン(君たちピュアだねえ)
エレン「でもまずは、昼の立体起動を頑張らないとな」パンムシャムシャ
ミカサ「エレンが楽しそうで、私も嬉しい」パンムシャムシャ
アルミン「ぼくもなんだか楽しいよ、すごく」パンムシャムシャ
5:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 09:50:11 ID:tX72ZLGk
【格闘訓練場】
エレン「いってー、やっぱアニはつえーな」
アニ「あんたが至らないだけさ。か弱い乙女に負ける理由を一生懸命考えな」
エレン「ところでさ、話変わるけど」
アニ「あ?」
エレン「夜の立体起動、って心当たりあるか?」
アニ「……」
エレン「噂によるとすげー気持ちいいらしくて、快感がほとばしって絶頂をむか――」」
アニ「おい、あんた」
エレン「ん?」
アニ「乙女に向かってなんてことを言い出すんだい」
6:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 10:00:11 ID:tX72ZLGk
エレン「心当たりあるのか!?」
アニ「……あることはあるが、ここでは絶対に言わない」
エレン「なんだよ、ケチ臭いなあ」
アニ「さあ、さっさと訓練の続きやるよ」
エレン「よっしゃ! 次は負けねえぞ!」
ズコー
エレン「また負けた」
アニ「ふっ」
エレン「なあアニ、もしかして特殊な技を使ってるのか?」
アニ「さあ、どうだろうね」
エレン「だとしたらすげーよアニ。尊敬するよ」
アニ「……そんなに気になるなら、教えてやってもいいけど?」
エレン「そんなことより夜の立体起動を教えてくれよ」
7:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 10:31:47 ID:tX72ZLGk
【休憩中】
アルミン「アニ!」
アニ「なに? アルミン」
アルミン「さっきエレンと一緒に訓練してたよね?」
アニ「ええ」
アルミン「エレンに変なこと聞かれなかった?」
アニ「い、いや、特になにも」
アルミン「ほんとう?」
アニ「……しいていうなら、夜の――」
アルミン「よるの?」
アニ「夜の立体起動がどうとか、言ってたっけ――」
アルミン「エレンに、教えたの?」
アニ「まさか……もし教えていたら、どうする?」
アルミン「もし教えていたら、アニはぼくにとって悪い人になるね」
アニ「ふっ。安心しな、なにも教えちゃいない。それに私は、巨人化させるより、なるほうが得意だから」ホロリ
8:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 10:45:11 ID:tX72ZLGk
【休憩中】
ミカサ「エレン、さっきはアニと何を話していたの?」
エレン「別に何も話してねーよ」
ミカサ「すごく楽しそうだった」シュン
エレン「夜の立体起動について情報収集してただけだ。アニは何か知ってる感じだったぞ」
ミカサ「アニが……」
ミカサ「間違いない。アニはエレンと夜の立体起動を満喫しようともくろんでいる」
ミカサ「私がさせない。エレン、逃げて」
エレン「でもあいつ全然乗り気じゃなかったぞ。教えてくれって言ったら思い切り蹴られたし」
ミカサ「あの女許すまじ。体中かっさばく」スチャ
エレン「おいおい早まるな、あくまで訓練だから」
ミカサ「悪かった。私は冷静じゃなかった」スッ
ライナー「よう。なに盛り上がってるんだ」
9:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 10:51:24 ID:tX72ZLGk
エレン「ライナー。ちょうどいい、ライナーにも聞いてみるか」
ベルトルト「ぼくもいるよ」
エレン「なあライナー。夜の立体起動って知ってるか?」
ライベル「!?」ビリッ
エレン「ん? どうしたんだお前ら」
ミカサ「エレン、ふたりが言葉を失っている。これは何かを知っている顔」
ライナー「し、知ってることは知ってるが、いきなりどうした?」
エレン「教えてくれよライナー、夜の立体起動って一体なんなんだよ。アニに聞いても全然教えてくれないし」
ライベル「!?」
ライナー「……聞いたのか、よりによってアニに」
ベルトルト(悪魔の末裔が! 根絶やしにしてやるっ!)
エレン「ああ。でも全然教えてくれないんだ。俺たち仲間なんだから、隠し事は良くないだろ? な?」
ライナー「あ、ああ、そうだな。隠し事はダメだ。しかしだな――」
10:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 10:58:17 ID:tX72ZLGk
エレン「だから教えてくれよ。せめてヒントでもくれよ。俺やミカサに分かるようなヒントをさ」
ライナー「ヒント……」
エレン「ベルトルトとライナーで、夜の立体起動のヒントを出してくれ」
ライナー「」
ベルトルト「ライナー! やるんだな!? いま! ここで!」
ライナー(マジかよベルトルト)
ライナー「いや、悪いが断る」
エレン「なんでだよ!」
ベルトルト「どーしてだよライナー!」
ライナー(なんでコイツまで残念そうなんだよ、身の危険感じちゃうだろうが)
11:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 11:07:26 ID:tX72ZLGk
ライナー「あのなエレン、夜の立体起動ってのは、愛する人とおこなう神聖な行為なんだ」
エレン「へ? そうなのか?」
ミカサ「エレンの、愛する人」モジモジ
ライナー「だから俺とベルトルトでは、夜の立体起動に及べないんだ。わかるだろ?」
ベルトルト「どーしてだよライナー!」
ライナー「」
エレン「なるほど。分かったぜライナー。おいミカサ」
ミカサ「エレン」テレテレ
エレン「俺の愛する人を、一緒に探してくれ!」
ミカサ「」
12:以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 11:15:42 ID:tX72ZLGk
エレン「俺って昔から友達いなかったから、誰かを愛したことがないんだよ」
ミカサ「」ショボーン
ライナー(なんだこの空気は。鎧よりも重いわ)
ベルトルト「でもエレンには、ミカサがいるじゃないか」
エレン「え? こいつは家族だから」
ミカサ「」ウルウル
エレン「あ、でも待てよ」
ミカサ「エレン…?」
エレン「俺にはアルミンがいるじゃないか」
ミカサ「」
ベルトルト「そうだよエレン! エレンにはアルミンがいる! ぼくにはライナーがいる!」
ライナー(なにこいつ超怖えーじゃん。とりあえず早く結婚しよ)
13:nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/13(土) 11:38:47 ID:tX72ZLGk
夜 食堂】
アルミン「お疲れ、エレン」
エレン「おう」
アルミン「夜の立体起動の謎は解明できた?」
エレン「ライナーが重要な事を教えてくれたぜ」
アルミン「ふうん。どんなこと?」
エレン「夜の立体起動は、愛する人とともにおこなうべき神聖な行為らしいんだ」
アルミン「へぇ~」
エレン「だからアルミン! 俺と夜の立体起動に励もう!」
アルミン「」
14:nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/13(土) 11:47:30 ID:tX72ZLGk
エレン「やり方はベルトルトが教えてくれるらしいから心配すんな! 俺たちはただ夜の立体起動の快感に身をゆだね――」
アルミン「ちょっと待ってエレン!」
エレン「ん?」
アルミン「単刀直入に言うね。エレンの夜の立体起動のパートナーに相応しいのは、ぼくじゃない。ミカサだ」
エレン「ミカサ?」
アルミン「エレン、君にとっていちばん尊い存在が誰なのか」
アルミン「君の事をいちばん大事に想ってくれている存在が誰なのか」
アルミン「瞳を閉じて、その胸に手を当てて、じっくり考えてみてくれないか」
エレン「俺にとって、一番尊い存在……」
アルミン「そう」
エレン「俺のことを、一番大事に想ってくれている存在……」
アルミン「そう!」
エレン「…………ミカサだ」
アルミン(ふっ、ちょろいぜ)
15:nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/13(土) 12:05:52 ID:tX72ZLGk
アルミン「あ、ミカサ」
ミカサ「アルミン」ショボン
アルミン(露骨に元気ないなぁ。エレンったらまったくもう)
ミカサ「この世界は残酷だこの世界は残酷だこの世界は残酷だこの世界は残酷だこの世界――」
アルミン「ミカサ!」
ミカサ「?」
アルミン「エレンが、話したいことがあるんだって」
ミカサ「エレンが?」
エレン「あの、だなぁミカサ」
ミカサ「なに、エレン」
エレン「いろいろ考えたんだけどさ、やっぱり夜の立体起動の相手はお前しかいねーや」
ミカサ「!?!?!?」
16:nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/13(土) 12:13:16 ID:tX72ZLGk
アルミン(いいぞ、もっとやれ)
ミカサ「エレン」ポロポロ
エレン「な、なんだよ泣くなよメソメソと」
ミカサ「この世界は美しいこの世界は美しいこの世界は美しいこの世界は美しいこの世界――」
アルミン「良かったね、ふたりとも」
アルミン(無知って怖いよね)
ユミル「よう、なに盛り上がってんだ御三方」
18:nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/13(土) 19:09:30 ID:tX72ZLGk
クリスタ「あれっ? ミカサが泣いてるよ? 大丈夫?」
アルミン「今ね、夜の立体起動について話していたところなんだ」
ユミル「なっ!?」
クリスタ「よるの、りったいきどう?」
ユミル「おいアルミン、あたしのクリスタを穢すつもりかテメエは」
エレン「なにいってんだよ。夜の立体起動ってのは神聖な行為だってライナーが言ってたぞ」
ユミル「馬鹿かお前、夜の立体起動ってのはだなぁ、つまりセ――」
アルミン「ああああそうだユミル!! キース教官がユミルのことを呼んでたよ!!」
ユミル「は? どうして教官があたしを」
アルミン「ぼくにもよく分からないけど可及的速やかに向かった方がいいと思う。さもなくば教官の頭突きがクリスタに」
クリスタ「ど、どうして頭突きが私に!?」
ユミル「ちっ、ったくめんどくせーな」スタスタ
アルミン(ふっ、邪魔者は消えた)