夏だし自分より年下の不気味な母親について話したい - 暇つぶしのゆいたんねる - 3ページ

2ちゃんねるのまとめサイトです。名作を中心に。

暇つぶしのゆいたんねる



体験談 怖い話

夏だし自分より年下の不気味な母親について話したい

投稿日:2016年9月3日 更新日:


 

93: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:54:58 ID:rBr8STKlD
使わないコンセントはぬいて。そう言ったよね?

 

95: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:55:57 ID:Dd9bAvNuI
>>93
やめろ

 

97: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:59:24 ID:X0Nc9eZGV

 「正確に言うと、殺されたんだよ」私は続ける。

「さっきも話したけど。
父がカホに手をあげて、一週間ぐらいしてからね」

「そうだったんですか」

後輩がしぼりだすように相槌をうつ。

「てっきりさ、殺したと思ったんだ」

「え?」

アルコールのせいで、言葉がチグハグになってしまう。
私は言い直した。

「だから、カホがあの人を殺したと思ったの」

 

100: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:03:48 ID:X0Nc9eZGV

「……なんでですか?」

後輩の声が低くなった気がした。
私は構わずに言葉を続ける。

「いや、単なる勘。だって、ありそうな話じゃない?
暴力ふるわれた女が、それをきっかけに男を殺そうとするって。
ありそうじゃん、サスペンスとかで」

「でも、その人は先輩のお父さんを殺してないんでしょ?」

「おそらくね」と私はためいきをつく。

「父が殺された時間帯、あの女には完アリバイがあったみたい」

そう。私の予想は外れた。
捜査の結果では、カホには完全なアリバイがあったらしい。

 

101: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:05:35 ID:NEUyYUB9G
他人を洗脳するくらいできそうだな…ストッパー効かないくらい、人だって殺められるくらい追い詰められそう

 

102: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:07:34 ID:X0Nc9eZGV

「犯人は捕まったんですか?」

「全然。いまだに捜査中だね。 もう半年近く前の話なんだよね」

「本当に警察ってば捜査してんのかな」と私が言うと、後輩は苦笑いした。

「犯人、早く見つかるといいですね……」

「そうだね」

私の返事は自分でも笑ってしまうほどにぞんざいだった。

「きみも気をつけて。世の中本当に物騒なんだから」

「そうっすね。オレも全身殴打で死亡とかいやですからね」

「はは、それは私もだよ」

違和感が脳のどこかで引っかかる。
でも流し込んだアルコールのせいで、
その違和感は、あっという間に喉のおくに消え失せた。

 

107: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:10:28 ID:X0Nc9eZGV

「とりあえず、店出ましょうか」

後輩に会計をまかせて、私は店を出た。
遅れて後輩も出てくる。
夜風が肌を突き刺してくると、不意に不安が頭をもたげた。

「今日はありがとね。私の話、聞いてくれて」

「いや、少しでも先輩の力になれたならよかったですよ」

鼻のおくがツンとした。
アルコールのせいなのか、私は情緒不安定になっているのかもしれない。

「ここんとこさ、私の生活めちゃくちゃでね」

「……先輩」

気づくと視界が滲んで、目の前の後輩の輪郭さえ曖昧になっていた。

 

111: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:13:42 ID:X0Nc9eZGV

「もう、どうしたらいいのかわかんないよ……」

知らず知らずのうちにあふれてきた涙は、なかなか止まりそうになかった。
そんな私の手を、後輩は両手で包んでくれた。

「大丈夫ですよ、先輩」

後輩の手は暖かかった。
私は彼を見あげた。
後輩はさわやかに私にむかって笑ってみせると、

「先輩、大丈夫ですよ。俺がついてますよ」

その言葉がどういう意味なのかを聞き返そうとする前に、後輩の手が離れた。
彼は照れくさそうに笑っていた。

「じゃあまた今度会いましょう」

「……うん」

後輩とわかれて帰途につく。
私は彼が握ってくれた手に自分の手を重ねた。
彼の体温が逃げないように。

 

114: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:18:19 ID:X0Nc9eZGV

 家に帰ると、カホがいつもどおりに私をむかえた。
父が死んでからもその笑顔は相変わらずだった。

「おかえり。今日は遅かったんだね」

「うん、まあね」

「なんだか気分よさそうだね。いいことでもあった?」

「べつに」

「この前、結婚について少し触れたけど、まだ細かいことは話してないでしょ」

そういえば、父が死んでからもうすぐ半年、つまり六ヶ月が経過しようとしていた。

「今度、私のその結婚相手の人に家に来てもらおうと思うの」

「そう、どうぞ勝手に」

 

115: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:18:52 ID:X0Nc9eZGV

 この女のことなど、どうでもよかった。
玄関に腰かけブーツを脱ぐ。
足はすっかりむくんでしまっていたが、気分は悪くはなかった。

「それで結婚相手の人なんだけどね」

――って言うの。

「……え?」

私は反射的に背後にいるカホを振り返っていた。
カホの右手の薬指には、指輪が光っていた。
その手は彼女の腹部に置かれていた。




116: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:19:40 ID:X0Nc9eZGV

「今なんて言った?」

「だから、結婚する人の名前なんだけど」

カホがもう一度結婚相手の名前を言う、とても嬉しそうに。

カホが言った結婚相手の名前。

それは、私がさっきまで一緒に飲んでいた後輩のものだった。

 

125: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:23:02 ID:xib9dsV91
つか旦那亡くして半年で次ってのもなwww

 

135: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:26:48 ID:ByqsDtMtD
>>125最初からここまでが計画だということちゃうの?

 

126: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:23:19 ID:X0Nc9eZGV

 ここまで付き合ってくれてありがとう。
こうしてキーボードを打つことでだいぶ冷静になってきた。

だけどもうなにも考えたくない。
考えたくないの。

明日も早いしもう寝るね、おやすみ。

 

129: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:24:33 ID:q8LWO2Yy1
>>126ぞっとした
とにかく乙

 

133: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:25:00 ID:rBr8STKlD
家が乗っ取られる

 

138: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:30:43 ID:NEUyYUB9G
あれ?親父は結婚前に前任者をヤッたわけではないのかな?

 

139: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:31:00 ID:6qp7ObLLi
殺されオチかと思ったら両親両方年下ファミリーエンドかよ
予想外だった
久々にゾッとできたわ

 

141: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:40:45 ID:4DWZEbg67
つまり家だけ取られたってことか

 

144: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)03:04:13 ID:i1X9bGMSs

読み終わった俺が一言

色んな意味で恐い

 

130: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)02:24:51 ID:gkiNWZhzM
あれ、後輩に父親の死因言ってたか?




> 前のページへ 

-体験談, 怖い話

Copyright© 暇つぶしのゆいたんねる , 2024 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.