夏だし自分より年下の不気味な母親について話したい - 暇つぶしのゆいたんねる - 2ページ

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夏だし自分より年下の不気味な母親について話したい

投稿日:2016年9月3日 更新日:


 

50: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)00:52:03 ID:X0Nc9eZGV

「なんなのあんたは!?
注意するなら普通に注意すればいいじゃない!?
なんでそんな同じことをずっと言っていられるわけ!?
頭おかしいんじゃないの!?」

みっともなく声は震えていた。カホの唇が止まる。

「私に構う暇があるなら、あの人の面倒を見ればいいでしょ!?」

言葉は吐き出すほど不安に変わって、私にのしかかっていく。
必死でカホをにらむ。
私の叫びなど聞こえていないかのようだった。
カホの笑顔は微塵も崩れることはなかった。

そして。

「使わないコンセントはぬいて。そう言ったよね?」

カホは言った。さっきと寸分変わらないトーンと微笑みで。

 

53: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)00:54:32 ID:R29y0fSGy
(´・ω・`)・ω・`) キャー
/  つ⊂  \

 

54: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)00:55:08 ID:yB5NRpEMO
これは怖ひ

 

55: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)00:58:13 ID:X0Nc9eZGV

 声にならない声が喉から漏れ出た。

私はリビングを飛び出して自分の部屋へと逃げた。
扉を勢いよく閉めて、鍵をかけた。
布団へと潜りこんで耳を塞ぐ。

「お母さん……!」

私は祈るようにそうつぶやいた。

扉をノックする音が、耳を塞いでいるのにも関わらず聞こえた。

『使わないコンセントは抜いて。そう言ったよね?』

あの女の声が扉越しに私を追い詰める。
目をきつく閉じる。
なのにまぶたの裏では鮮明に、カホが微笑んでいる。

『使わないコンセントは抜いて。そう言ったよね?』

「……はい。ごめんなさい」

私は声をしぼり出した。
扉のむこうでカホが満足そうに笑った気がした。

 

56: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)00:58:29 ID:q8LWO2Yy1
ガチでヤバいやつじゃん

 

57: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)00:59:15 ID:3SI4oKKea
録画してパパンに見せたらよくね?

 

59: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:00:30 ID:yB5NRpEMO
>>57不仲だから意味ないんじゃね?

 

60: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:01:38 ID:3SI4oKKea
>>59
これだけおかしかったら、パパンも『うわ、メンヘルやったことやで』って気付いて分かれるんじゃね?

 

62: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:02:52 ID:ApS7yphkV
幽霊やお化けの話より怖い

 

63: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:03:30 ID:X0Nc9eZGV

『ユイちゃんは本当はできる子だもんね』カホは言う。

『『お母さん』がどうこう言わなくても、一人でなんでもできるもんね』

はい、と私は反射的に頷く。

『今度は同じことを『お母さん』から注意されちゃダメだよ』

カホが扉からはなれていくのがわかる。
安堵のため息がこぼれた。

それから二ヶ月が経って、カホと父は入籍した。
式はあげなかった。
私は家のことについて考えるのをやめた。

そして。
カホの異常は父にまでおよぶことになる。

 

65: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:07:48 ID:EmWyB9xoB
27で仕事してるなら、一人暮らししなさいな

 

67: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:09:26 ID:3SI4oKKea
>>65
建設的なことを言うな!

 

66: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:09:03 ID:X0Nc9eZGV

 二人が結婚してから一ヶ月。
私はカホの異常性が、父にまでおよんでいたことを知る。

このころの私はカホの言うことを、素直に聞いていた。
そうすることでやりすごしていた。

この日は仕事がやすみで夜遅くに帰宅した。

『なんだカホ。俺がなにかしたのか?』

ブーツを脱ごうとしたときだった。
父の声がリビングの扉越しに聞こえてきて、私は手を止めた。

『なにを怒っているの?』

カホの声は父のそれとは対照的に淡々としていた。

『お前こそなんなんだ?  俺がなにかしたのか?』

『言ってる意味がわからないよ。
お風呂入ったら、って言っただけじゃない』

そこでふたりの会話がとまる。

 

68: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:09:56 ID:Fh0OlqERQ
洒落怖とか目じゃない怖さ

 

69: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:13:08 ID:X0Nc9eZGV

 父がリビングから出てきた。
父は私に気づいたが、なにも言わずに二階へあがっていった。

「おかえり、ユイちゃん」

カホがリビングから出てくる。

「なにかあの人とあったの?」

「べつになにもないよ?」

「あの人が声を荒らげてるのなんて、見たことないんだけど」

きっと疲れてるんだよ。
それだけ言うとカホはリビングに引っこんだ。

 

70: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:17:57 ID:X0Nc9eZGV

 カホの異常さはいやでも目についた。

その日はめずらしく『家族三人』での食事だった。
だけど、会話らしい会話はほとんどない。
カホが一方的にしゃべっているだけ。

以前までは父も話していた。
だけど最近は、声を聞くことさえなかった。

父が食事を終えて、リビングから出ようとしたときだった。

「お風呂に入るでしょ?」

静かな居間に、カホの声がひびく。

父は立ち止まりこそしたが、ふりかえりはしなかった。
その背中にカホはまた同じ言葉をかける。

「お風呂に入るでしょ?」

 

72: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:21:23 ID:Fh0OlqERQ
これは・・・・たまらんな

 

73: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:22:04 ID:IBwlF9jQp
うん…こんな家私なら早く逃げたいけどな、1には何か理由があるのかもね

 

74: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:24:07 ID:3vdbtSAD7
一人暮らしって言うほど簡単にできるものなのかね
仕事で忙しければそんな簡単にはいかんぞ
資金的な問題もある

 

75: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:25:15 ID:X0Nc9eZGV

「……あとにする。先にキミが入れ」

「お風呂に入るでしょ?」

背筋が薄ら寒くなるのを感じた。
この女はついに父にまで、自身のもつ狂気を向けたのだ。

「俺はやることがあるんだ。
あとから入るからお前とユイが先に入れ」

父の声は明らかに苛立っている。

「お風呂に入るでしょ?」 何度目かになるカホのセリフ。
カホの顔には、あの微笑みが張りついていた。

「お風呂に入るでしょ?」

父がカホを振り返る。

「……わかった。入るよ」

「うん。一番風呂で寒いかもしれないけど我慢してね。
あ、お父さんが出たら次はユイちゃんが入ってね」

私はだまってうなずいて料理を口にする。
口にふくんだカホの料理は冷めきっていた。




77: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:26:27 ID:CMndssplx
これはオチが気になる

 

79: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:29:59 ID:4DWZEbg67
不気味だな

 

80: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:30:26 ID:MAjXco3cg
いいから早くしろ

 

81: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:32:09 ID:X0Nc9eZGV

 カホのせいで家の中の空気が、変化していくのを私は感じとっていた。
重くのしかかるような空気が、家全体を覆っていく感覚には覚えがある。

この家が私にとって、心安らぐ場所だったのはいつのころだったのだろう。

ここのところ、まどろみの中で『母』をさがす夢を見る。
この日もずっと『母』をさがしていた。
だけどなにか大きな音がして、唐突に現実に引きずり戻された。

からだを起こして、机のうえの目覚まし時計を確認する。
時刻は夜中の二時だった。

音はリビングから聞こえた。
私がリビングへと駆けつけると、父とカホがいた。

 

83: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:36:46 ID:X0Nc9eZGV

 カホは床に座りこんで頬をおさえていた。
「な、なにがあったの?」と私の問にはふたりとも答えなかった。

「お前が悪いんだ……」

父の顔は怒りに強張っていたけど、同時に紙のように白かった。
やせ細って骨ばった父の拳には赤い血がこびりついている。
呆然とする私を父が横切ってリビングから出ていく。

「どこへ行くの!?」

私は父を問いただすために追おうとして、結局やめる。
カホの様子を見ることを優先した。

 

84: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:37:32 ID:3SI4oKKea
とうとう、鉄拳制裁か・・

 

85: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:38:19 ID:CMndssplx
マジでどうなっちまうんだよ

 

86: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:41:57 ID:X0Nc9eZGV

「大丈夫?」

唇の端が切れたのか、出血していた。
父がカホに手をあげたことに、私はなぜかショックを受けていた。

「言いすぎちゃったのかな。怒らせちゃったみたい」

カホがおかしそうに笑った。
笑うと唇が痛むのか、その微笑はいつもとちがっていた。

「またなにか言ったの?」

「少し注意しただけだよ、わたしは」

「それだけで手をあげたって言うの、あの人は?」

「そういう人でしょ、あの人は。
あなただってそんなことぐらい、わかってるくせに」

私は肩をかして、ソファにカホを横たわらせた。

 

88: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:46:34 ID:X0Nc9eZGV

「前にも聞いたけどさ。なんであんな人と結婚したの?」

カホが答えようとしないので、私はそのまま続ける。

「あの人はクズだよ。お母さんだってあの人のせいで……」

「そうだね」

カホは自分のお腹に手をおいた。

「あの人は奥さんがいても、平気で不倫とかしちゃう人だからね」

母の生前、父が不倫をしていたことを私は知っていた。
そして、その不倫相手の一人が目の前の女なのだ。

「わかってたんでしょ? 」私は言った。

「アイツが人間としてどうしようもないクズで、最低なヤツだって」

 

90: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:50:55 ID:X0Nc9eZGV

 「ええ、もちろん」 とまたカホは笑う。
「じゃあ、どうして!?」 と私は思わず声をあらげた。

「幸せになるためよ」

カホ自分の腹部へと視線を落とし、
そのまま自身の手を腹部へともっていく。

「どんなことをしてでも、なにをしてでも」カホの声が冷たくひびく。

「わたしはわたしの幸せを手に入れるの」

「どんなことをしても……?」

「ええ、どんなことをしても」

幸せになる。

カホが自分に言い聞かせるように、もう一度言う。
その言葉はしばらく私の鼓膜にこびりついて、はなれなかった。

 

91: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:53:52 ID:CMndssplx
ごくり

 

92: 名無しさん@おーぷん 2014/07/30(水)01:54:56 ID:X0Nc9eZGV

「……とまあ、だいたいこんな感じなわけ」

私は話すのをやめて、カクテルを思いっきりあおった。

「先輩、飲み過ぎじゃないですか?」

後輩の声がぼんやりとしか聞こえなかった。
この時の私は、たぶん酔っていたのだろう。

「それで?  そのあとはいったいどうなったんですか?」

「お父さん? 死んだよ」

後輩の顔がかたまる。
予想通りのリアクションだった。

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